これは実に面白かった。
主役のファンドーリンがちゃんと頭がいい人間でよい。ついでにハンサムで身体能力も高いのだが。頭が良いといっても天才ではなく、騙されるけどあとで気がつくというか。
作者はボリス・アクーニンで、このアクーニンというペンネームは日本語の悪人から付けられたらしい。その名に恥じない邪悪さを発揮している。人がたくさん死ぬ、というか主人公が結構殺しているし。
帝政ロシア期の秘密警察なので、主人公がやむなく殺人をするのは仕方がないのかも。文章にはユーモアがあってよい。
文学系だというが、それはよく分からんかった。娯楽小説としてちゃんと面白いのでよい。
ロシア文学ほとんど読んでないので、主人公以外の名前が覚えられないという問題はあるが。
この作品に登場する孤児院の教育は、シュタイナー学園っぽい気がする。まあ、シュタイナー学園は孤児院ではなく、どちらかというと金持ち向けだが。