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考察的なもの:ソマリとティーラ・ブラウン

ソマリは2020年冬アニメ「ソマリと森の神様」の主役、ティーラ・ブラウンラリー・ニーヴンの「リングワールド」の登場人物である。

「リングワールド」は巨大な人工構築物上で冒険する話なのだが、その話の中でも異色の存在が幸運能力を持ったティーラ・ブラウンである。だいたいハード寄りの話なのに幸運能力は非科学的とんでも能力であるわけだが、このティーラ・ブラウンというキャラクターは、私の周囲のSFファンの間ではよく知られている。ある意味、リングワールドの設定よりも興味深い存在である。生まれたときから幸運能力を持っている彼女は、危険な目に会ったことがないので動作が危なっかしいという描写がある。「リングワールド」の中では唯一の地球人の女性ということでヒロイン的な存在として読んでいた記憶がある。

で、「ソマリと森の神様」を見ていて、初めはソマリの行動に違和感を覚えたのだが、ふとティーラ・ブラウンを思い出して納得したわけだ。ソマリはティーラ・ブラウンのように行動している。人であれ動物であれ自然現象であれ、この世の中に自分に危害を加えるものが存在しないと思っているかのような行動である。むしろソマリの行動を見て、ティーラ・ブラウンに対する理解が深まった気がする。そうか、ティーラ・ブラウンってこんな感じの人間だったのか。むしろリングワールドでのティーラ・ブラウンの行動は、ソマリに比べればずいぶん大人しい。実際は小説の記述以上だったのだろう。そりゃあ、ヒロイン的なエンディングを迎えないわけだ。

ちなみに「お父さん」と呼ばれる森の神様ゴーレムはお父さんというよりも、猫の飼い主みたいな印象である。

 

リングワールド (ハヤカワ文庫 SF (616))

リングワールド (ハヤカワ文庫 SF (616))

 

 

ソマリと森の神様 1巻 (ゼノンコミックス)