ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

アニメ感想:ソマリと森の神様

いかにも子供らしい子供であるソマリと森の神様というような立場のゴーレムが、自然が豊かで美しいファンタジー異世界でのんびりと楽しく二人で旅をするアニメ……だったらよかったんだけど。

豊かで少子化の進んだ現代の日本の子供らしさ。いや、日本とは限らないか、一人っ子政策の中国の子供は小皇帝というらしい。以前の記事で私はソマリをティーラ・ブラウンに例えた。

 

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 私は年寄で、今のアニメ視聴者層、漫画作者層とは世代が違うのである。世代の差というかなんというか、例えば私に近い世代の小野不由美十二国記では人民はしばしば飢えている。それは悪政の結果だったりするが、それとは別の問題として、自然には自然災害があってそれは文明がないと避けられない(あっても避けられないが軽減は出来る)。自然災害がなくても自然は過酷なものである。飢えているから争いが起こる。誰が悪いのでもない。

しかし、豊かで美しい自然に恵まれたファンタジー世界では、飢えがない。でも、争いは起こるらしい。それは人々の偏見や差別のせいで、偏見や差別は道徳に問題があるから発生するので、人々がみんな愛と平和を愛する高い道徳心を持っていれば偏見も差別もなく争いも起こらない。

世界観が違うのである。どちらの世界観が正しいとかいうことではない。ただそこには隔絶がある。

 

ソマリと森の神様 1巻 (ゼノンコミックス)