なんとか読もうと、そこそこ努力はしたんだけど、やはり諦めました。上巻の3分の2くらい読んだ。
なんというか、ハリウッド映画の脚本術みたいな危機また危機、ピンチに次ぐピンチという話なのですよ。もう主役の女性は次から次へと命を狙われるし、性的にも狙われる。休むまもなくピンチが続いてハラハラ・ドキドキですね。という作者の狙いが透けて見えるというかなんというか。どうしてここうも次々とピンチに陥るかと言うと、それは主人公がホラー映画の冒頭のバカップルのように馬鹿な行動を次々とするからなのです。いや、私はホラー映画をほとんど見ないので、ステレオタイプとしてのホラー映画のバカップルというイメージを持っているだけなんですが。
ピンチに次ぐピンチというのはエンタメの王道というか、それ自体が悪いわけじゃないんだけど、ピンチになるのは主役が馬鹿だからというのはどうもあまり嬉しくない。まあ、逆に主役が無双するフィクションの場合も、イージーモードのゲームだからというのはどうも嬉しくない。あたしなんざぁ、年寄りの口うるさい読者というわけですよ。
まあ、カッコいい吸血鬼も登場して、ヒロインを守ってくれる……はずなんだけど、ヒロインはボディガードを断ってのんきに一人で外出するし、この吸血鬼も断られたんじゃ仕方がないとあっさりボディガードを止めてしまう。そしてヒロインはハラハラドキドキのピンチの連続に。ああ、これではカッコいいはずの吸血鬼もカッコ悪いぞ。
死せる魔女がゆく 上 [魔女探偵レイチェル] (ハヤカワ文庫FT)
- 作者: ハリスンキム,エナミカツミ,月岡小穂
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/09/21
- メディア: 文庫
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