今週のお題「かける」
かけ算順序問題では、かけ算は
かけられる数×かける数
というように書かなければならないらしい。つまり、これは右からかけるかけ算である。かけるのが右で、かけられる方が左。
そんな風に思い込んでいたのですよ。だから、腐女子のかけ算も左がかけられる方(受け身)で、右がかける方(積極的)だと思ってしまったのです。これは逆。
ベクトルと行列のかけ算は、まあ高校とかでは
Ax
みたいにかける。これはベクトルに行列をかけているので左からかけるかけ算である。でも行列と行列のかけ算だと
AB
はつい、AにBをかけるみたいに考えてしまう。しかし、
ABx
とするとA(Bx)なんじゃないかなという気もしてくるでしょう。ほら、してきた。行列は線形変換関数なんだから
f(g(x))
みたいなもので、関数の合成 f○g も左からかけるのです。
じゃあ、小学校でかけ算を順序付で教える時も、左からかけることにすれば、腐女子計算から行列計算までみんな左からかけるで統一できるではないか。
でもベクトルを記号ではなく(1,2,3)みたいに中身で書くと、行列を左からかけるのは都合が悪くなって、右からかけないと合わなくなる。行列の転置はやってもベクトルの転置はやらないから行列をかける時だけ縦に並べて書くという例外を作ってようやく左からかけられる。
ところで話は変わるが、魔法も掛けるものである。魔法は変換作用なので行列と同じように、何かに対して作用を及ぼす。つまり、つまり、魔法も右から掛けるか、左から掛けるかで結果が変わってきたり、魔法が効かなかったりするのですよ。そして魔法の合成もその順序によって合成結果が違う訳です。
まあ、魔法の場合は上から掛けたり、下から掛けたりすることもありますが。