若い人が「将来に起こる死に怯えながら生きている」なんてことはたわごとに過ぎないのだが、その一方で、老人が「そんなに遠くない将来の死をまったく考えない」と断言することもで出来ないだろう。
というわけで、今日は自分の理想的な死に方というものをちょっと考えてみたのであった。
それは市役所で何かの手続きをして、番号の書かれた紙を渡されて、順番を待ちながら死ぬというもの。市役所を閉める時間になって、まだ順番を待って座っている人がいることに気づいて声をかけると死んでいたみたいな死に方。
そうでなければ、病院で診察の順番を待ちながら。この二つが私の理想に近い死に方である。なんと言っても、そこは冷暖房が効いているから。
その次が駅のベンチで自分の乗る列車を待ちながら。まあ、ここからちょっとずれて、列車が終点について降りない乗客がいるので声をかけたら、ってのもありかな。
たぶん、天国や極楽というところは誰でも行けるようになって以来、入場待ちの長い行列ができているのだろう。そんなイメージがあるので、私にとって順番待ちは死を連想させるのである。