ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

漫画感想:カワリ大いに笑う

ブック放題で読んだ漫画。

牛次郎原作、桑田次郎作画の1971年の漫画。ネタバレあり感想。

日米ソのスパイ組織が、日本人の発明した地下核実験を発見する装置を巡って争う話。この話の中では、この装置ニューブラックボックスがないと地下核実験は分からないということになっているが、この装置が地震観測から地下核実験を見つけるという設定なので、もしかしたら現実に先行しているか、当時の先端研究を取り入れていたのではないかと思われる。

米ソのスパイ組織はスパイものらしいのに、日本の秘密組織ジャスパーにはなぜかお笑い担当の子供がいて、いつも恐怖のあまりおしっこを漏らしている。

主役のカワリは変装の名人という設定だが、結構丁寧なメーキャップをする変装シーンはあるものの、敵のスパイも変装するし、設定に負けている感が少しある。

ニューブラックボックスが核のバランスを壊すからスパイが争奪戦をするという設定で話が進むのだが、ジャスパーはスパイ組織らしく、アメリカのスパイを捕らえて拷問する。拷問の末には意図しないとはいえ殺してしまう。お笑い担当の子供の存在と拷問死というのがちょっと意外な取り合わせだった。シリアスなのかギャグなのか。桑田次郎作画の漫画には結構そういうのがある気がする。

ニューブラックボックスも、後半ではなぜか地下核実験を検出するだけでなく、地殻変動を起こして地球を破壊する能力があることが分かる。てこ入れだろうか。

そして最後は急展開というか急ぎ足というか、破壊動作を始めたニューブラックボックスを止めるために、カワリが命がけで突入するというシーンから、あっけなく装置は停止し、カワリの生死不明というエンディングだった。