これ前回歯医者に行く途中の出来事だった。書くのを忘れていた。というか、土台崩壊のことを書いたらこっちを忘れた。
歯医者に自転車で向かったが、予約の時間よりだいぶ早めだったのと少し喉が乾いたので、自販機でミネラルウォーターを買ったのである。
でそれを飲むためにマスクを片側の耳だけ外そうとしたら、その瞬間、紐が取れた。不織布に圧着だかなんかしてある部分が外れてしまった。ああ、このマスクを買う時に50枚入りの中で一番安い不織布のを買ったのがいけなかったか。前から少し品質に疑問はあって、折り目の段々の重なり方から表と思われる方には少しシワが寄っていて、裏側はシワなしだったので、そのせいで安いのかと思っていたのである。
それはともかく、紐が根本から外れてしまったのではマスクとして使えない。その時、ネギさん少しも慌てず、ミネラルウォーターを一口飲むと、リュックから予備のマスクを出して装着したのである。
「少しも慌てず」だと思っていたが、ぐぐったら能の船弁慶の「そのとき義経少しも騒がず」が元ネタだと知った。でもオレは能など知らないので、船弁慶と聞いても枝雀の落語しか思いつかない。たぶんこの表現は漫画か時代劇かでなんどか目にして覚えていたのだとおもう。それが「少しも騒がず」なのか「少しも慌てず」なのかは今となっては判然としない。
船弁慶だって枝雀の落語しか知らない。これは氷売りのところで終わっているバージョンが最高に面白い。
これだったかなぁ。