数学者のジョン・ホートン・コンウェイが亡くなった。数学者の中では一般に名を知られた人である。
まず、ライフゲームの考案者である。いまでは一時ほど流行ってはいないような気もするが、コンピュータ関係者の間ではよく知られたゲームというか、今風に言えば人工生命とか仮想生命とかいうもの、コンピュータの中の生命的な振る舞いというアイデアの元である。
私も一時はライフゲームに興味を持ってプログラムを動かしたりした。若い頃、派遣先に富士ゼロックスのSmallTalkマシンがあって、それにライフゲームが付属していた。そのコンピュータはモノクロのスクリーンで、ライフゲームを起動するとスクリーンの一部を選択して、そのビットパターンからライフゲームを開始するようになっていた。
十年ほど前にはキス数やなんやらを調べようとして、コンウェイの英語の本に手を出したが、これは私には難しすぎた。(英語もそうだが数学的にも)
このブログで何度もお勧めしている「数の本」は、コンウェイとガイの共著の名作である。小学生から大学生までの範囲で数について楽しめる。日本では「分かりやすい=内容が空虚」というようになりがちだが、「数の本」は分かりやすくて、かつ、内容が濃い。小学生から大学生までの自宅学習に向いているすごい本である。わかりにくいことが高度だというわけではないのだ。(なお、数学的に高度な内容を理解するには多くの場合十分な基礎知識と時間をかけて頭を絞った練習が必要である。)数の本に書いてあることも進んだ部分はよく考えないと分からない。
実は先日ふとω^ωの次を自然数の濃度と対応させるにはどうするのかと思って「数の本」を開いたのだが、書いてなくて、仕方がないので自分で考えていたら、実は書いてあったと気がついたのである。(単に私が馬鹿なだけだ)