ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:浜村渚の計算ノート

キャラクター小説としてみると、キャラが立っていない。作者や他の登場人物から外見はかわいいが、考えていることは宇宙人のように理解できないキャラとして描かれている。なので理解できないキャラなのだが、そこでそのキャラの卓越性が示されればキャラが立つのだが、実際には数学っぽい雑学知識をちょっと持っている程度なので卓越性はなく、単なる理解不能キャラに過ぎない。雑学をまくしたてるキャラでもないし。

内容は、カレー専門店でうんこ味のカレーを注文したらカレー味のうんこを食わされたという感じである。いやいや、うんこ味のカレーには大きな価値があり、カレー専門店で注文する可能性は十分あるのですよ。なぜならうんこを食ったことがないから。もしかしたら、うまいかも知れないじゃないか。単独のうんこ味がうまくなかったとしてもカレーに入れることで絶妙なうまさを醸し出すかも知れないじゃないか。それに対して、カレー味のうんこは駄目だろう。うんこだからというだけじゃなくて、カレー味なんてすでに知っている味だから新しい味を知るという楽しみがない。うんこだし。

そしてこの感覚にはなんとなく前にもこんなことがあったというデジャヴが付きまとってきたのである。いやいや暦が一周するほど生きていると、いろんなことが前にもあった気がしてくるのだが、カレー味のうんこを食わされたことが本当にあったのだろうか。単なる錯覚じゃないかと思った。思ったのだが、不眠気味の夜に布団の中でよくよく思い出してみると、これはアレと同じパターンだと分かった。

そうそう、柳田理科雄のアレ、あの感じだ。墓場から蘇ってきた柳田理科雄だよ。柳田理科雄と特撮の関係が、浜村渚と数学の関係に非常に近いと思う

こうしてみると結城浩は偉大なのだ。数学ガールを読め。人によっては、激辛カレーに思えるかも知れないが、激辛カレーを避けてカレー味のうんこを食うのは馬鹿げている。そして激甘カレーというのは数学の分野では存在しないのかもしれない。

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

 

 

フーリエの冒険

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数の本

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 さらに、浜村渚の計算ノートについて文句を言うと、「実証」というわけの分からん言葉が出てくる。実証ってなんだよ。なにそれ。ひどい。0で割ってはいけないのは悪魔との契約?いかにも小学校の算数の先生が言いそうな教条的で頭の悪い説明だ。