マイルズ君シリーズの最終巻を読んでからしばらく経つわけですが、まあ、なんとなくビジョルド読みたいなという気になってきたわけです。
- 作者: ロイス・マクマスター・ビジョルド,鍛治靖子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/01/30
- メディア: 文庫
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やあ、これは面白い。日本のラノベではないので、主人公は三十代の男性。人生経験もあるし、分別もある。話全体としては、みごとにまとまっているというか、まとまり過ぎているのでこの主人公では続きが出ない。そして姫様、姫様は若いので理想は高いが、分別がない。さらに、奸臣とかダメな王子とかいろいろある上に、神様や聖者もいるけど、全能どころかその能力はかなり限定されている。
うん、シリーズ物、特に長くなったシリーズ物では出来ないことをやっているし、どこをとってもビジョルドなので、こうなるともうマイルズ君ファンの私も認めざるを得ない。マイルズ君シリーズをやめてこっちを書いたのは正解かも知れないと。
庶子神という設定がとてもよい。(しかも、庶子神は庶子と言っても父神ではなく母神の子だ。ビジョルドだなぁ。)ある意味では悪魔的だがそうではなく、なんとも言えないけれど、よい。このファンタジー世界に生まれたなら、私は庶子神を信仰するだろう。混沌の神とも言えるけれど、東洋的ではなく、まあ人生経験を積んだ物語作者にしか、あるいはビジョルドにしか書けない神様だろう。
もちろん、マイルズ君はマイルズ君で、そしてネイスミス提督はネイスミス提督で、非常によく作られたキャラクターであり、ヴォルコシガンシリーズが面白いことは間違いないので、そっちを読んだ後でこっちを読むというのも間違っていないだろう。
チャリオンの影、あまり面白いので、仕事をサボってしまった。まあ、自由気ままに働いているので、自分で決めた作業時間を削ったという程度だが。しかし、勤めていたら「体調不良で休む」という連絡を入れた可能性もある。酒好きが二日酔いで休むのと変わらんでしょ、本好きが本を読み止められなくて休むのは。まあ、通勤中に読めると思って出社する可能性もあるけど。