ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:鍵のかかった部屋

図書館で借りた本。貴志祐介の密室ミステリ短編集。

鍵のかかった部屋 (角川文庫)

鍵のかかった部屋 (角川文庫)

 

 パズルミステリーというべきか。正統密室物。密室トリックとしては十分水準をクリアしていると思う。まあ俺はミステリマニアではないので、類似トリックがあるかどうかは知らないけど。

ただ、貴志祐介の他の作品レベルに達しているかどうかは、貴志祐介に期待するものが大きいならばそれだけ期待はずれ感があるかも知れない。故意にやっているのかどうか分からないけど、どうもパズルミステリに対する批判的な側面があるような気がする。密室の謎の提示から解決までの流れがなんかすんなりというか、だらだらというか。タメがないというのだろうか。

推理showみたいにする必要はないにしても、謎の提示、間違った解、正解という区切りが欲しい。短編という制約はあるにしても、密室の謎から正解まで流れが続いてしまうのがどうも。まあ、そこもワザとやっているという可能性を勘ぐってしまうのだが。