面白かった。
実は有名な作家の有名なシリーズの最終巻らしい。全然知らなかったけど。
泥棒探偵バーニイ・ローデンバーの活躍するというか、おしゃれな会話が楽しめる本。バーニイは古書店主なので、本に関する蘊蓄も多い。謎解きとしてはそれほどのこともないというか、作者もそんなに気にしてないのではなかろうか。
最終巻なのでこれまでとパターンが違うところがあるようだ。基本的にはバーニイは泥棒。
ヒロインと言うか、会話の相手は犬の美容師でレズビアン。バーニイと恋愛関係にないという点が重要らしい。
二人は毎日中華料理とかをテイクアウトして交互に相手の店で一緒に食べる。その二人の会話がおしゃれである。それからバーニイと恋愛関係になるゲストの女性たちも魅力的である。
だがそれ以上に変なのは事件に絡んで登場するコレクターたち。薀蓄を語る語る。
映像作品向きのおしゃれな話かと思ったが、最後で事件の解決がちょっと反倫理的なので映像作品には向かないかも知れない。この反倫理的な加減が微妙で、悪党とまでは言えないような気もするが、善良な市民ではない。むしろもっと悪党らしい方が映像的には面白い気がするし、オレとしてもちょっと半端な気がする。
しかし全体としては面白かったのでシリーズを振り返って読みたい。