ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

アニメ感想:もういっぽん!

これはいい。今期(2023冬期)最高のアニメではないか。俺の見ているアニメの中では。

高校の女子柔道部の話。

主役らしく天真爛漫で屈託のない元気な園田未知。この悩みのない感じがいい。未知がいる限り、この作品がうじうじと陰気になる心配はない。投げて一本を取る気持ちよさを追求する。

眼鏡の地味子っぽいが、芯の強い滝川早苗。俺の一番のお気に入りキャラだ。才能より努力が実を結ぶ寝技を追求する。

才能もあるし容姿もかわいい氷浦永遠けいおん中野梓あずにゃん)に近いかも。普段は内気だが、柔道着を着ると堂々としていられる。強い。EDで恥ずかしそうに踊っている姿がいい。

未知の幼なじみで剣道部の南雲安奈。このキャラも一言では言えないが実に味があってよい。剣道全国大会レベルから柔道初心者への転換は正しいと思う。なにしろ、剣道には世界大会がないからな(ググったらあるらしい)。上を目指すなら柔道の方がいい。

未知たちの2年上の姫野紬。柔道部を辛うじて存続させていた先輩。ギャルらしい。未知たちの入部と同時に辞めるが、戻ってくる。(現役引退した老兵が現役復帰して活躍するエンタメパターンかも。老兵じゃないけど)

顧問の女性教師の夏目紫乃。女性と書いたのは、キャラを見ただけだと男性のようにも見えるので。この先生だけは、ちょっと格好良過ぎるという気がする。他のキャラは最近のアニメの流行とはちょっと違う体形なのだが、この先生は体形とか指導方針とかあり得ないほど理想像に近い。

というように主要人物全員を紹介してしまったのは、13話を見終わってみると、どうしても全員に言及せずにはいられないという気持ちになるからだ。そして、ライバル校の柔道部員にもいいキャラがいる。

特に金鷲旗トーナメントが始まってから、9話から13話までは非常に密度の高い内容で、柔道ものとしても高度な技の応酬があり、キャラの内面にも入り込みつつ、1話でほぼ1試合が終るというハイテンポのストーリー。どうなってんだ、これ。もう一度最初から見るしかない。

1話では柔道の試合があったものの、その後は日常系かと思うほどゆったりしていたのに、最後はハイテンポ。緩急が凄い。日常系っぽい部分もだれていたわけではない。この日常も描きつつ柔道もちゃんとするというのは、「帯をギュッとね!」に近い気がする。あんな感じ。

ともかく俺としては、10話の早苗がいい。部員の中では強い方ではないのに、努力して勝ちに行くという姿勢が最高である。もうね、泣ける(人が死んでお涙頂戴は嫌いだけど、こういう泣けるのはいいのだ)。

あと、健全なスポーツものでは、なぜか相手チームが卑怯な手を使うというパターンがまるで義務でもあるかのように、あらゆる健全なスポーツものに入っているような個人的な印象があるが、この作品にはそういうところはない。

スポーツものの(俺が個人的に)嫌なところがない。再度言うけど、強くない早苗が勝ちに行くというのがすごくいい。チームのための引き分け狙いじゃなくて。いや、勝ちに行くという意志がある点で、強いと言える。これからもっと強くなる。

いいから、これを見なさい。おれももう一度見る。

animestore.docomo.ne.jp

 

柔道の試合の作画もいいんだよね。下手な解説が入らないからあっという間に技をかけて、それに返し技を合わせるとかいうのがあって、その後に部員たちがちょっと解説っぽいことを言ったりするけど、言わないこともある。言わない時でも、仕掛けて凌いでとかいうのはなんとなく分かる。

百合要素は、あると言えばある。夏目先生がそういうのは引き受けてくれる。シリアスっぽく書いたけど、試合以外は基本ギャグベースであり、それもよい。