架空戦記に限らない。
栄枯盛衰、諸行無常。なんていうか流行というものは流行っているから流行するというような側面があって、流行りだすきっかけのようなものはもちろんあるのだろうが、一度流行りだすと勢いに乗ってどんどん流行るということがある。
というか、多くの流行がそうだと思う。だから流行った理由や衰えた理由を並べても、もちろん部分的な妥当性はあるが、それだけではないと思うのだ。
私の好きなSFもそうなんだけど、今流行っているものだって同様だ。ロボットアニメ、萌アニメ、魔法少女どれも面白いといえば、面白いがそんなに流行る程のものかと言えば、そうでもないだろう。エロゲもなんで衰えたという質問より、何で流行ってたんだという質問の方が妥当であろう。
もちろん、傑作はあるよ。流行っているものは作品数が多いという理由と創作者の熱気が凄いという理由などがあって、傑作もバンバン出てくる。同時に、後から見ればどうしようもない駄作も大量に出てくる。思い出補正で振り返るとあんな傑作の多かったジャンルがなぜ衰えたと思うが、ちゃんと駄作の群れを思い出せば無碍なるかなというもの。
そしていずれ衰えることは流行の中にいる人もちゃんと分かっていて、二つの対応に分かれる。つまり、今のうちに稼げるだけ稼げという対応と、出来るだけ長引かせようという対応だ。多くの場合は、前者の対応がなされる。日本漁業とかね。鰊御殿とかあるし。後者の対応というか、細く長くという対応ではSFマガジンの低経費路線とかだろうか。
長引かせるほうが正しい対応ということも言えなくて、長引かせようとして失敗してそのまま衰退したら目も当てられない。一方、稼げるだけ稼ぐ路線も、金の卵を生む鵞鳥を殺すことになりかねない。
個々の流行に関する分析など、多くは結果論よ。栄枯盛衰、諸行無常。