ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

ゲームの面白さ、青春の美しさ

青春時代が夢なんて、あとからほのぼの思うもの〜

というわけで、後から思い出す限りにおいて、つまり思い出補正を付けることによって青春は美しく輝き出すのだ。

さて、先日「放課後さいころ倶楽部」というアニメを見たのだが、ゲームの面白さというのもそのゲーム自体の面白さもあるのだが、思い出補正も重要だろうということで思い出補正付きのゲームの話をしてみよう。そのゲームは、カードゲームの「ジン・ラミー」である。トランプゲームと言ったほうが分かりやすいかも知れないが、当時大学生だった僕たちはそれをカードゲームだと認識していた。

 

部室に行くと四年生の妖艶なお姉さんがいて、「暇ならジン・ラミーでもする」と誘ってくる。使用していたのはUSPlaying Card社のカードだが、紙のカードなので使っているとだんだんヘタってくる。ギャンブルではないので毎回新しいカードを使うということはないのだが、時々は新しいものをおろす必要がある。妖艶なお姉さんは部の在庫からカードを売る係なので、お姉さんにカードのお金を払って新しいカードを出してもらう。

「何にする。アリストとかどうかしら」

「キャメルでいいです」

アリストは、アリストクラットというカードの種類でその名の通り高く、キャメルはラクダの描かれたカードで一番安いものである。

「キャメルでも下ろし立てはいいわね」

お姉さんはそんなことを言いながら鮮やかな手付きでカードをシャフルする。部室に置かれたテーブルの上には黒い習字用のマットが敷かれていていつでもカードゲームが出来るようになっていた。フェルトのマットと言ったほうがよいだろうか。ゲーム用のマットもあるのだろうが、フェルトのマットが安くて機能性も高いのである。つまりカードを置いたり取ったりする時に掴みやすいということだ。

お姉さんがシャフルしたので、僕がカットし、ゲームが始まる。ジンラミーはセブンブリッジに似ていて、つまり麻雀に似ていて、同じ数のカード3枚以上の組か同じ種類(スート)の連続3枚以上の組を作る。上がり方は、ノックとジンがあり、ノックは早く安いが、ジンは遅く高い。そしてノックの場合にはノックした方が負ける可能性もある。まあ、ルールはWikipediaでも見てくれ。

ja.wikipedia.orgそんな感じで来る日も来る日も部室でジン・ラミーをしていたのである。相手は妖艶なお姉さんとか、華麗なお嬢様とかだったような気がするが、もちろん思い出補正である。このジン・ラミーの何が面白いのかというと、それはよく分からない。でも、逆転もあるし小さな勝敗とゲームの勝敗もあって面白いことは確かである。しかしそういう個々の面白さだけではなく、毎日毎日繰り返すことの中毒的な面白さがあったのだ。

男の部員ともジン・ラミーをしたことはあるのだが、女性ばかりが印象に残っている。まあ、男が二人で暇だとジンラミーもあるが、もう一人いればメンツを探して麻雀になるという理由もあった。

時は流れ、安いトランプのキャメルは発売中止になり、ボクはおじさんになり、カードゲームといえば、トレーディングカードを指すようになってしまった。そして、そうなって初めて、思い出は輝き出すのである。