図書館で借りた本。
「やさしい」ということは面倒なことは書かないということである。……はずなのだが、どうもそうでもない。
まあ、憲法、民法、刑法を軽く紹介する本という意味ではこの本も確かに意味があると思う。
でも、俺としては憲法のところに「解散権」などという存在しない権利が書かれているのが納得がいかない。この本は法律の本なので、民法でも刑法でも何条にこう書いてあるからという記述をしている。
しかし、解散権が憲法何条によるのかは書かれていない。なぜなら憲法にそんな条文はないからである。まあ無理して7条の条文を書くと、それがまったくの屁理屈であることが判明してしまうので「やさしい」というところに反してしまう。
しかし、著者が法学者として7条解散違憲と主張してもなんのメリットもないということは分かる。これは違憲行為が何度も繰り返されることによって、常態化してしまったので、いまさら取り返すことが出来ないのである。まあ、いわばここだけ慣例法になっているということだろう。
解散権の違憲性だけでなく、三権分立はまったく機能していない。これの問題は最高裁判所の違憲立法審査権について、審査手続が憲法に書かれていないからだろう。俺の個人的な考えだが、法律の公布から施行までの間に最高裁判所はその法律が憲法に反していないか判定する会議を開いて憲法に反するなら施行を止める(判定結果が出るまで延期)ということを定めておく必要があった。また、制定中の法律についても裁判所側から積極的に国会で意見を述べるような制度も必要だった。
でも今からではどうすることもできない。
これは政府や法律というものが秩序の維持のために存在しているからで、現行の体制を変更しないでそのまま維持することが秩序となるからだと俺は思うのである。それ自体はよい。何かを変更するには選挙による民主的な手続きが必要である。それはよい。でも、その民主的な選挙を妨げるような状況について改善することが極めて困難になっている。これは困ったことだ。
