ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:さよならのためだけに

図書館で借りた本。これは小説。我孫子武丸の本だったのでミステリかと思って借りたらミステリではなかった。近未来サスペンス小説かな。

 

俺は自称SFファンなのだが、近未来小説はあまり好きではない。何を隠そう、SFの早川から何作も出版されているあのマイケル・クライトンを俺は好きではないのだ。

なんというか、うまく言えないのだが、近未来サスペンスにはセンス・オブ・ワンダーがないと思うのである。極端に言えば、「近未来サスペンスはSFではない」と俺は思うのだ。最近はSFファンダムも落ちぶれたので「○○はSFではない」と言っても、SFファンダムから村八分にされる心配をしなくてよくなった(単に俺がSFファンダムから離れたからか)。90年代にはとてもそんなことを口に出来る状況ではなく、閉塞感が強かったのだが。

それはさておき、この作品は結婚マッチングサービスの話である。少子化問題マッチングサービスという時事ネタを元にした近未来サスペンスと言えよう。ストーリーは日本で進むが、少子化問題は日本だけの問題ではなく、人類の問題としてとらえられている。

でも、俺は古い人間なので、いまだに「人口爆発の問題」というのが頭から離れないのだ。ファーストガンダムあたりでは、「人口爆発」が問題になっていたわけだし。

新井素子の「チグリスとユーフラテス」が出版された時も、俺は人口減少が問題になるなんておかしいと感じたくらいだ。ところがこれがかなり先見の明があったというか、実際にはその時には既に日本では少子化が進行していた訳で俺が遅れていただけだったのだ。

ところが、こうして少子化を人類の問題として扱った作品を読んでみると、やはりそれはおかしいと感じてしまうのである。少子化は紛れもなく日本という国の問題であるし、日本だけでなく先進国を自称する国々に共通の問題でもある。しかし、(少なくとも現時点では)人類の問題ではない。

世界人口はまだ増え続けているし、地球環境的には人口はむしろ多過ぎると考えられる。もちろん世界人口が減少に転じて、減少し続ければ人類は滅んでしまうが、それよりも人口が減少に向かわなくて増え続ける場合の方が先に破滅的状況を迎えるだろう。

それから、この作品「さよならのためだけに」はオチというか解決がかなりご都合主義的である。