ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:創作衝動

俺はいつも複数の本を同時並行的に読んでいるし、アニメも複数のアニメを同時並行的に観ている。現在配信中のアニメはもちろんだが、旧作を観るときでも複数のアニメを1話ずつ観るのがふつうである。まあ、のってきたら最後まで一気に観るけど。

で、本の話だが、「短編ミステリの二百年」という本を図書館で借りて読んでいたのである。最初の作品は前に読んだことがあると分かったので、オチは思い出せなかったけど飛ばして、その次、次と読んでいたらどうもミステリらしくない。意外な結末とか奇妙な味とかは言えると思うが、このアンソロジーはちょっと幅が広いなと感じたのである。

 

そこで次にサマセット・モームの「創作衝動」を読み始めたら、これも不穏な気配は感じるもののなかなか事件も起こらずに、ちょっと中断して別の本を読み始めた。

同じく図書館で借りた「パントロジスト」という本で、これも連作短編集のようであった。最初の事件が「エイリアンは誰?」という事件で、ラノベらしく軽い話で殺人はないけれど、ミステリらしい作品であった。なろう系とかでは一人称が多いが、これはミステリという必要性があってか、ちゃんと三人称で書かれていて、三人称が書ける作家であると感じた次第である。

 

 

ここでまた「創作衝動」に戻って、読んでいると、やはり翻訳家が翻訳した翻訳調の日本語は、私が馴染んでいるせいもあって素晴らしいと改めて感じたものである。で、この「創作衝動」であるが、やはりミステリとは言いがたいものの、これは「短編ミステリの二百年」に収録するにふさわしい短編であると強く感じた。不穏な雰囲気からやはりそうなったかという展開をしたにも拘わらず、穏やかに進んで、これはハッピーエンドと言える終り方であった。

ルパンシリーズのモーリス・ルブランが娯楽作品ではない、文学作家として認められたがっていたという話を聞いたことがある。梶原一騎も文学青年だったというし、売れない文学と売れるミステリーという関係を「創作衝動」はうまく描いていると思う。

かつては、(娯楽でない)文学から、娯楽作品へという流れがあったように感じるのである。今のラノベは漫画アニメ、そしてラノベを中心とした素養からのラノベ作家という流れで、それはそれでジャンルの要点を押さえた作品が描きやすいという長所もあるのではありましょうが。