ミステリアンソロジーだと思って、図書館で借りた本。
でも、選者というか編者というか、アンソロジストというか、そういう人の名前もないし、序文みたいなものもない。なので、アンソロジーとしてのテーマが見えにくいと感じた。
読んでみると、なんか「代行業」の話が多いけど、それだけとも言えない。と思ったが、「代行業」が直接出てこない作品も「代行」というテーマだと言えなくもないと気付いた。
米澤穂信の作品は詩人の遺稿の出版にまつわる(日常の)謎を巡る話であるが、遺稿の出版というのは作家の意志の代行だと言えるだろう。
そしてミステリ関連で「代行」と言えば、古くから「復讐代行」というものがあって、その点に該当する作品もいくつかある。
もうひとつ思ったのは、最近の話題が多いということであった。「代行」も最近の退職代行を扱った作品があったり、飲食店での迷惑動画や、闇バイトを扱っていたりという具合である。そういや、斜線堂有紀の作品は代行じゃなくて迷惑動画だな。
またもうひとつの共通点としては、意志の齟齬というか、そもそも代行という行為が依頼者の意志を正しく反映しているとは限らないわけで、その食い違いをテーマにしているように見える作品もいくつかあった。
ミステリとして個々の作品をみると、やはり斜線堂有紀の作品がよいと感じた。パズルミステリらしさがある。
並び順はこれでいいのか疑問あり。最初に新川帆立はきつい。ここで脱落するところだった。
