ネギ式

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漫画感想:砂ぼうず 10巻から15巻

アニメでやった第一部が12巻の途中で終り、小砂が独立して主役となり第二部になる。

その前に、松浪一家の火事の際にロボット兵士たちが子供を助けていたのだが、その理由はアニメではよく分からなかった。漫画には書かれていた。極めてささいなことでもあるが、これもこの作品の世界観を表している。

最強の殺人兵器であるロボット兵士たちが「おれたちは人間を助けるために作られた。人間を助けるのは当たり前」というのだ。つまり、命令があれば人間を殺すが、特に命令されていない状態では人間を助けるのである。この世界では人の命は極めて軽いし、このロボット兵士の強さも散々描写されている。その上で、人間を助けるのは当たり前というは凄い。

というところはあるものの、全体的にシビアな世界であり、砂ぼうずよりもかなりまともな小砂ですら、現代倫理的にはアウト。現代倫理的に一番まともなのは海棠勝だが、この世界では明らかに異常者である。川口夏子もかなりまともな方だが、目的のためには兄弟ですら犠牲にすることも厭わない。兄弟もそれなりにタフなのでたまたま死んでないだけ。

2部のアニメ化は難しいだろう。まともな小砂ですら、戦争は儲けるチャンスとか言ってるし、拷問もしてるし。いやまともじゃないのか。漫画を読む前からWikipediaを見て知っていたが、てるてる坊主を自分のシンボルにしている。しかし、漫画を読んで分かったのは、てるてる坊主は、この世界では最も恐ろしいシンボルなのである。雨の降らない砂漠に、ごく稀に降る恵みの雨を追い払ってしまう恐ろしい悪魔なのだ。

15巻の最後では、小砂がこれから覚醒剤を使うというところで終っている。こういう世界だから使うかも知れないし、もしかしたらギリギリ使わないかも知れない。

この作品のテーマは、たぶん、どんなことをしても生き抜くということだと思う。