dアニメストアで見た。2023年の劇場公開アニメ。
世界観というか雰囲気のよいアニメ。または雰囲気だけのアニメ。
スチームパンクというか、蒸気機関車のような戦車のようなロボットのようなメカが大砲を撃ち合って戦うシーンがよい。クラというのはクラガリ、暗がりであり、たぶん、暗がりを行けばというような意味のタイトルだと思う。
現実でも、最初の地下鉄は蒸気機関車だったわけだが、この作品でも蒸気機関車が地下鉄を走っている。ただ、スチームパンク世界特有のお約束で、蒸気機関でも煤煙は出ない。
大正時代くらいの設定だろうか、地下鉄の線路が分岐していて、その先にクラガリと呼ばれる地下世界がある。地底湖みたいなのがあったり、毎日が縁日という感じの町があったりする。
つまり、そんなに暗くない。アニメを見ていて物の判別がつかないなんてことはなく、むしろ、これのどこが暗がりなんだという程度に明るい世界である。
そういう世界で、探偵の荘太郎が行方不明になった人々を探すという話である。ただし、ストーリーは弱い。最初は自分でクラガリに行かずに、情報屋の少女サキにクラガリに行かせる。しかし、サキはあっさりと行方不明になる。何やってんだよ、探偵。
タンネという謎を帯びた少女が結構魅力的なのだが、たぶん謎を秘めた少女という設定であって、少女や少女の率いている組織の謎については特に解明されない。
探偵はサキを見つけることは出来たが、当初の目的である行方不明の人々はなんだか唐突に発見される。サキを取り戻すまでがこのアニメのメインストーリーである。悪役の福面党もメカで派手なドンパチはやるものの、クラガリの秘密とかとは関係のない小物感が強い。