最近モテていないおたく男が京の都をとぼとぼと歩いていると、向こうから同じように冴えない足取りでとぼとぼと歩いてくる男がいた。
男はモテ女うまく結婚していたが、女が出て行ってしまったのだという。
などてかくあふごかたみになりにけむ水もらさじと結びしものを
どうしてこんなに会うことが難しくなってしまったのだろうか、以前は荷物を一杯入れた竹かごでも天秤棒で軽く肩に担げたのに、そして二人も水も漏れないくらいの堅い絆で結ばれていたのに。
おたく男も一緒になって、うまくいかないものだなぁと男二人で嘆き合った。