ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

アニメ感想:現実主義勇者の王国再建記 から俺の共感性羞恥について

2021年のアニメ。

さて、エンタメ作品というものは多かれ少なかれ願望充足的な側面があるものだ。それがよいとか悪いとかではなく、問題は恥ずかしいと感じるかどうかである。ここでいう恥ずかしさとは、ネットでよく言われる共感性羞恥である。

俺ツエーは、確かに願望充足ではあるのだが、俺の願望というよりも、よくある誰かの願望である。

じゃあ、俺の願望は何かというと、「知識をひけらかして凄いと言われたい」というのがそれなのだ。そしてこのアニメがその願望を満たすようなアニメである。ただし、現代知識無双ではない。主に三国志(たぶん演義、もしかしたらゲームや漫画)の知識を使ってナーロッパで無双する話。

恥ずかしい。共感性羞恥で死ぬほど恥ずかしい。

俺はこの「知識をひけらかして凄いと言われたい」という自分の願望を自覚しているので、このブログでも隙あらば知識をひけらかしているのだ。

そしてこの願望ゆえに恥ずかしくて読み進められないのが、「数学ガール」なのである。これは願望充足小説ではないと思うし、作者には俺のような願望は微塵もないと思うのだが、おれには女の子を相手に自分の知識(や頭の良さ)をひけらかす話のように思えてしまうのである。作者は賢いのでちゃんとバランスを取るために主役よりも頭の良い女性も登場させているが。

そして、「数学ガール」が俺よりも頭の良い人間が知識をひけらかす話だとすると、このアニメは俺よりも頭がよいとは必ずしも言えない人間が知識をひけらかす話のように思えるのである。これはまた格別の恥ずかしさがある。

もっとも、なろう系にしてもラノベにしても願望充足小説の願望が作者の願望だとは限らない。初期はともかく、今ではこれらの小説は柳の下にどのくらいドジョウがいるか、綿密に調査して書かれているので、読者の願望ではあっても作者の願望ではないことが多いのだ。

さて、アニメに戻ると、このアニメで使われる知識は、三国志の知識だけではなく、現代知識だったり、マキャベリの君子論だったりと、様々な時代の様々な知識が使われる。統一感がないような気もするが、読者が誰も知らないような三国志の細かいところの知識を使っても、マニアにしか通じないのでやめておいたのかも知れない。

またこのアニメでは、現代知識を使ってこの世界の常識を迷信だとか偏見だとか言って否定して変革していく一方で、一夫多妻制度については、この世界の制度だから仕方がないと、いやいやながら複数の女を妻にするのであった。

それも、スケベ心は一切ないという顔をしながら、政略結婚なので仕方がないんだ、本当は望んでいないけれど、政略上必要だし、相手の女も俺に惚れているので、どうしても仕方がないので複数の妻を娶るのだ。

こういうところが実に共感性羞恥で恥ずかしいと感じてしまう。

アニメの1クールめで、戦争が終って2クールめは戦争の後片づけみたいな話で、特に重大な問題は発生していないのだが、このアニメのメインは知識をひけらかすことにあるので、緊急の問題はないが、ただ知識をひけらかすという感じになっているのも恥ずかしい。

ああ、恥ずかしい。恥ずかしい。

 

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