北方水滸伝。
かなり飛ばしたけど、読み終わった。もともと北方謙三が読みたかった訳ではなく、水滸伝系統の何かを読みたいと思っただけなので、続編の楊令伝は読まない。
北方謙三は水滸伝を革命としてとらえたようだが、首都制圧して皇帝を倒すという意志が弱く、梁山泊を独立国家にしようとしたようだ。しかし、それは皇帝を倒すより難しいだろう。独立国家になったらずっと戦争が続くし、周りが全部宋では国境の維持も出来ないだろう。
また、梁山泊側は(闇の)塩の貿易、青蓮寺側は銀山開発で資金を得ているが、国の農業生産量が増えていないのに、金ばかり増えても、物価が上がるだけだろう。梁山泊が革命軍として国民を救うなら、迅速な行動が必要で、じっくり戦っていると国民の困窮が続くばかりである。
あと、宋江がかなり情けない。本人はほとんど行動していないのに、他者の評価ばかり高いという印象だったが、最後の決戦では周囲の足を引っ張るばかりである。
豪傑、英雄の話にしては、結構みんな女のことでうじうじと悩んでいるのが気に入らない。あと、自決するのは好きじゃない。英雄なら同じ自殺的行動でも、無謀な突撃をして討ち死にする方がいい。
ともかく、これで水滸伝を読んだ気になることが出来る。