今回のウクライナ問題について、私の最大の注目点は、プーチンによる核兵器の先制使用を示唆した発言である。
私のような核兵器廃絶の立場からすると、抑止力としての核というのも容認できないが、核兵器保持を支持する立場の人にとっては抑止力として必要だという主張は重要であろう。
そこに、今回のような核兵器の先制使用を示唆された場合にどうするかという問題が発生する。先制使用ではなく、先制使用を示唆することによる脅迫的行動に対して、抑止力としての核はどういう意味があるのか。特にロシアのように相対的に小規模な戦術核と大規模な戦略核を持った国が戦術核の先制使用を脅迫に使ってきた時にどう対応するのか。
私の立場からすると、これは核兵器の問題であって、ウクライナとロシアの政治的立場(それも問題だが)とは別の問題となる。今回は武力介入するなら核を使用するという示唆だが、今回の脅迫がうまくいけば、今後はもっと積極的に核による脅迫を使うことになるのではないか。ロシアにせよ、それ以外の核保有国にせよ。
この核による脅迫に対して、現状でEUやアメリカが大規模な経済制裁という対応をしていると私は見ている。経済制裁の効果はすぐには出ないが、一方、キエフ陥落や傀儡政権樹立があっても経済制裁は続けることが出来る。
問題として経済制裁は、制裁する側に痛みを伴うことである。特に経済的弱者に影響が大きいだろう。また、軍事産業やそれに関連する企業にとっては、経済制裁が軍事行動よりも有効であるなどという結果は望ましくないだろう。
私はやはり、核兵器の先制使用によって脅迫されている世界というのは受け入れがたい。私は反戦主義者だが、みんな仲良くという思想ではないので、経済制裁を支持するし、経済制裁の長期化を避けるために、より一層強力な経済制裁をするべきだというくらいの意見を持っている。
一方で影響を受ける国内経済弱者の救済措置や企業倒産を避けるための政策は必要だろう。
そして核兵器の先制使用を示唆したプーチンは、退陣させられなければならないし、核兵器の先制使用を示唆した国の核兵器はすべて撤去されるべきだと思う。
まあ、そこまでは行かないだろう。
読んでない。