ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:雰囲気探偵鬼鶫航

鬼鶫航(きのつぐみわたる)は名探偵の雰囲気を纏った探偵であるというのは語り手の佐々稀一(ささきいち)の評だが、私にはこの語り手は信用できない語り手であり、実際には鬼鶫は推理をしているのではないかと思って読んでいた。

鬼鶫がアレっぽい探偵みたいに、容疑者を一堂に集めて犯人はお前だというような芸をしないのは確かである。それが佐々には不満であり、そういう見栄えのする演出をしてほしいと望んでいる。なぜなら、佐々は鬼鶫が大好きであり恋しているから。そして恋は盲目であり、それゆえに佐々は鬼鶫が実際には推理をしているのにそうではないと思い込んでいる。というのが俺の読み方だったのだが、四話めを読むとその考えは違うようであった。

鬼鶫はテレパスというほどではなくても、エンパス能力がありその能力によって事件の真相が分かるようである。これもテレパスともエンパスとも作中では書かれていないので、私の読み違いという可能性は高い。

それとは別になんとなく事件が説明されてそのままなんとなく事件が解決しているという印象がある。メリハリが少ないと言うか。別に容疑者を一堂に集めて推理を披露する必要はないけれど。