ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:彩雲国物語13 黎明に琥珀はきらめく

李絳攸が投獄されるという話。前回の藍楸瑛に続き、うじうじぐだぐだと悩んでいる。なんでこうみんなうじうじしているのかと思ったけど、それがキャラクターの深い内面描写ということらしい。あるいは、このシリーズにはBL的な側面があるので、BL的な恋の悩みみたいな描写ではないだろうか。わるい意味で文学的。王はうじうじした性格なので、王がうじうじしているのは気にならない(少しは気になるが)。

あとは宮廷内の官吏の勢力争いのようなもの。このシリーズは外国と戦争していないし、内戦もほぼ終了したという設定であり戦闘描写はあるけど、それは一部の反乱とか盗賊とか裏にはなにかありげな描写はあっても、戦闘の相手自体は小物である。その点はよい。戦闘ばかりの話ではつまらないから。

でも、外国と貿易という話もない。実際には貿易もあるのだろうが、それは商人まかせで国は関与していないのかも知れない。そうなると貴族と官僚の陰険な勢力争いが主体になってきて、そしてどうも俺には陰謀があまり向いていないようだ。

そして天災というか自然災害もほぼない。茶州での騒ぎはまあ疫病だったが、基本的には農作物の不作が内政上の問題になりそうだがそういうものもなく、官吏として秀麗が何をしているかというと官吏の勢力争いに巻き込まれているだけという気がする。

なんか、秀麗のライバルとか上司とかいかにも切れ者という描写なのだが、読んでいてもう一つ実感がない。宮廷陰謀ものの作品ってたぶん海外にはたくさんあると思うのだが、それを俺は読んでいないのだが、いやいやそれでも宮廷陰謀ものはもっとこうサスペンスがあるというか、そんな気がするのである。