ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:筆算をひろめた男

サブタイトルは「幕末明治の算数物語」

読書感想だけど、フィクションではなくノンフィクションである。タイトルからは伝記っぽいし、福田理軒の伝記という側面もあるのだが、内容としてはサブタイトルの方が近いと思う。

後書きには「筆算こそが、当時の一般の人々にとってはそろばんにかわる画期的な計算手段」と書いてあって、確かにそうなんだろうとは思うのだが、どうしてそうなのかはこれを読んでもよく分からない。一応そろばんも少し習い、数学も少しやった俺にはなんとなく分かるけど(例えば、多倍長整数の演算を筆算のアルゴリズムを元にプログラムした時とか)。たぶん、算盤は純粋な技術として昇華しているからではないだろうか。それとも当時のそろばん使用者は間違いが多かったとか。

内容には当時の筆算の練習問題がいくつも載っていて面白い。あと、西洋流の九九の表とネイピアの棒の関係とかが面白かった。割り算の九九とかも。