ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:メグレと善良な人たち

メグレ警視ものって初めて読んだんだけど、そんなでもなかった。そこそこリアリティのある警察ものだと思う。
パズルミステリーだと犯罪を犯すのは主にセレブたち、前に泥棒バーニイシリーズでチャンドラーが批判していたリアリティのないミステリーである。一方、チャンドラーなんかが言っていたのはクズがクズなことをするということらしい。泥棒バーニイシリーズでは、まあバーニイは常習犯罪者だけど殺人を犯すのはセレブだったり、セレブという程ではないがクズでもないニューヨーク市民だったりする。まあ、クズがクズなことをしているとしても、それは小説にするほどのことではないという事かもしれない。当たり前のことは小説にしない、異常なことが小説になるということだ。
そういう点からいうとこの作品はリアリティがある方に分類される。でも私にはそれは差別的だと思えるのである。クズなことが起こったなら、クズがやったはずだという偏見を助長しないだろうか。