ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

アニメ感想:映像研には手を出すな!

私はSHIROBAKOファンを自認する男であり、また「映像研には手を出すな!」原作漫画も読んでいる。で、このアニメを見た感想だが、これもいい。つまり、SHIROBAKOも漫画の映像研もアニメの映像研もみんないいというものである。

以下、偉そうなことを書くが、私は一介のアニメファンに過ぎず、アニメ制作には一切関わっていない。以下はオタクの妄言である。なお、SHIROBAKOも含めてネタバレありなので注意。

主役は浅草みどり森さやか水崎ツバメの三人だが、誰か一人というと浅草みどりが一番の主役っぽい。漫画もアニメもクリエイターの話であり、働く女の子の話のSHIROBAKOとは方向性が違う。浅草みどりは、近頃話題の庵野秀明監督のようなこだわりのあるクリエイター。水崎ツバメもこだわりのあるクリエイターだが、水崎氏は育ちがいいので、結構ものわかりがよくて協調性があり、譲るところは譲る。(浅草氏も譲るところは譲るけどね)

私が注目するのは、森さやかである。金森さやかは立場的にはプロデューサーだろう。劇場版SHIROBAKOで宮森はラインプロデューサーという立場だが、ラインだからなのか、金の話を出したくないからなのか、あまりプロデューサーらしいことはしていないように思う。ロロが説教しているが、それでも行動としてはそんなにプロデューサーらしくない。

アニメ版の映像研の金森氏は実にプロデューサーらしい。金儲けと言うよりも、うまく噛み合ってない歯車をうまく噛み合わせて動かすことを目的としている。それは、浅草氏が「ここにライトを付けるとエンジンと干渉するからライトの位置は上だ」という空想メカでやっていることを現実にやることでもある。だから、浅草氏の信頼もある(長い付き合いという理由もあるが)。金は空想メカを動かすエネルギーの現実版であり、現実の社会を動かすために必要なものだから避けては通れない。

漫画版の映像研は百目鬼氏のこだわりも強く描いているが、アニメではそれほど前に出していない。まあ、アニメの音響はあくまでも本来の仕事ではなく、手を貸しているだけだからだろう。アニメ版では百目鬼氏だけでなく、背景や音楽を他に依頼するという外注も描かれている。そのへんのトラブルは少しSHIROBAKO的である。

作中作の「芝浜UFO大戦」はSHIROBAKOのアニメ研が作った「神仏混淆七福陣」とはまるで違う。七福陣はいかにもTVアニメのファンがTVアニメをまねて作ったという作品で、口パク前提の動かないアニメだが、芝浜UFO大戦は動かすこと(大勢でダンス)を前提の線の少ない単純なキャラデである。ああ、それなのに、水崎ツバメ渾身のダンスシーンが最後にカットされてしまうのはあまりにも無念。

この芝浜UFO大戦で、浅草氏は音楽に合わせて作品を作り直すために、作品のテーマを変えてしまう。これがいい。テーマが深くなったとかそういう話ではない。作品のテーマは作者の主張したいことではないのだ。作者の主張したいことなら簡単に変えることは出来ないはず。作品のテーマは、視聴者が作品を理解するためのガイドラインなのである。あと、私の印象としては、音楽に合わせた結果、芝浜UFO大戦はアートっぽくなった気がする。アートを目指して作ったわけではなくエンタメを目指して作ったが、作品を間に合わせるためにアートっぽくまとめたのではないか。

えーと、映像研の感想なので映像研がすごいみたいに書いたけれど、SHIROBAKOも面白いんだよ。SHIROBAKOはアニメ制作会社のドタバタを描いた巻き込まれ系主人公の話で、クリエイターやすごいプロデューサーが主役の話じゃないから。だからSHIROBAKO TVシリーズ最終話で宮森が偉そうな話をするのはちょっと違うという気がしていた。あれは、宮森の言葉というよりもPAワークス堀川社長の言葉だろう。

水崎ツバメはすごく育ちがいいと思う。読者モデルとしての人気を客寄せに使うことに対して、あまり抵抗していない。安直なキャラクター設定だったら、そこは反抗しそうな気がするが、やりたいことがやれるならそれ以外では他人の意見を受け入れることが出来るキャラなのである。渾身のダンスシーンがカットされても、悔しがることは悔しがるが受け入れている。コメットAでの販売でも協力的だった。これは金森氏の策で解決(本質的には解決してないような気もする)。水崎氏はいい子。

まとまらないけど、今回はこれで。(たぶん、また後で書く)

 

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