いや、５話に限らないんだけど、俺は都市伝説って怖くないんだよな。ホラー小説や映画の場合は、そっちがヤバい、それをすると危険というホラーのお約束があって、お約束どおり登場人物がヤバいことをして危険な目に会う。怖いことが起こるという前兆があって、それが怖い。
ところが、ネット都市伝説の場合は、俺の独断だが、ホラーのお約束を書き手も読者も知っていて、書き手はその約束に従ったり、裏をかいたりしてくるので、お約束が成立しない。逃げてもヤバいことになるし、立ち向かってもヤバいことになる。それは書き手次第だし、書き手はネットの反応を予測したり、反応を見たりしてから続きを書いたりするので、考えることが無駄に思える。信頼できない語り手のインタラクティブ版だと思っている。すべての行動が危険で安全な行動がひとつもないので、怖がるという感情が麻痺してしまうのだ。また、都市伝説は怖がらせることが目的なので、最後まではどんな馬鹿なことをしても死なない。お話は途中で終わらないのだから。
異世界ピクニックは原作もあるし、インタラクティブではないのだが、都市伝説を元にしているので、俺はそういう胡散臭さを感じてしまう。エヴァに理屈はないと何度も自分に言い聞かせても、あの世界だとつい理屈を考えててしまうのだが、その逆パターンになっている。
