ようやく読み終わった。前巻で一応ある程度の決着は着いていて、最後の巻は恋愛の決着という感じか。この話の裏の主役ともいうべき放蕩親父のいろいろと主人公の段誉の出生の秘密とか、まあ、虚竹の相手とかいろいろ決まる。
そして悪役の慕容復はあまり活躍することもなく、退場。最後に話を締めるべく大軍勢での戦いが行われる。スペクタクルだ。意外にもその場はうまく収まるが、歴史をみれば一時的な平和に過ぎないことは読者には分かっているはず。
そして段誉はハッピーエンドのようだ。
うーん、なんか蕭峯も登場したときは自由で豪胆な英雄という感じだったが、罠に掛けられたり、阿紫に絡まれたりして魅力を失った気がする。「こんなことでは英雄好漢とはいえない」などと自覚があるというか、評判を気にしているというようなところもある。
最後に没落した慕容復の姿を段誉が見かけるというシーンは、なんかのパターンだろう。同じようなシーンを見たか読んだ記憶がある。仏教的な無常観を表すシーンである。
最終巻だけあって、結構重要な人物がどんどん死ぬ。確かに武術の話もあるが、この天龍八部は恋愛の重みが多くなっているようだ。SMカップルとか、虚竹とかは普通じゃないけど。