天龍八部は射雕英雄伝から始まる武侠小説のシリーズの第三部である。
追記:これは間違い。射雕英雄伝から始まる武侠小説のシリーズの第三部は倚天屠龍記である。追記終わり。
しかし、射鵰英雄伝と神雕侠侶が登場人物も時代も繋がっているのに、天龍八部は登場人物も重なっていないし、時代はむしろ過去に戻っている。それなのになぜ第三部と言えるかというと、それはこの武侠小説のシリーズでは華山論剣という武術の達人が競い合うという話があるのだが、そこで競い合った五つの武術の流派のうち、唯一これまでの主人公たちが身に着けなかった流派がこの第三部(の最初の主人公)と関係してくるからであろう。
この流派の技である一陽指は治療系の技なのである。RPGには回復役が必要だが武侠小説では主人公の話にうまく合わなかったようだ。満を持して第三部ではこれが活躍するはず(八冊中の一冊しか読んでないので不明だが)。
ところで、神雕侠侶の楊過は子供の頃はとんでもない悪ガキだったのだが、天龍八部の主人公(の一人)の段誉もまた嫌な悪ガキであり、それも屁理屈系の悪ガキという武侠の世界から見れば本当に鬱陶しいガキなのだ。どうも、この射雕英雄伝での主人公の成長というのは武術的成長だけでなく心の成長も描いているわけだが、それが悪ガキから立派な大人になるというパターンのようだ。(射雕英雄伝の郭靖はそんなに悪ガキじゃなかったけど。)もっとも、西遊記の孫悟空が実にひどい悪ガキだったわけで、それ以来の伝統なのかもしれない。ジャッキー・チェンの初期のクンフー映画もけっこうな悪ガキだと思うし。
そして神雕侠侶では禁断の恋が描かれたわけだが、天龍八部(少なくとも一巻の時点)でまたそれとは別の禁断の恋が描かれるのであった。そしてなんと妹萌えですよ。個人的には萌えないけど。いや、妹萌えなら郭襄でしょう。
映画にもなってるんですよね。テレビドラマかも。武侠アクションとしては映画も面白いと思う。ってゲームにもなっているのか。日本で言えば、(楊過は)宮本武蔵か織田信長なみの人気かも。そういや、宮本武蔵も織田信長も少年時代は悪ガキだった。