草が死に魚が出てくる。渚でさなぎに大当たり。--不条理日記。
吾妻ひでおの死はある程度予測されていたので驚きはない。むしろ、意外なほどふつうの死に方だった。自殺もあり得たし、身元不明のホームレスとして死んだ可能性もあり、そう考えると、よくぞ普通の死に方が出来たものだとも思う。漫画家がタバコを咥えた自画像にしてしまうと禁煙は難しいのかも知れない。
私が初めて読んだ吾妻ひでおの漫画は、「ふたりと5人」。哲学的先輩とか面白いと思っていたが、編集者の仕業だったとは。その後、チャンピオンの「みだれモコ」とか「チョッキン」とかで不条理なギャグを面白いと思って読んでいた。流流(ながれりゅう)無段の「美美」はマンガ少年で読んでいたが、まあそれはアレだ、黒歴史だがアイドル関連で読んだのであった。
その後、「不条理日記」がSFファン界隈で話題になり、そこからは吾妻ひでおと名の付く作品を買い集めるようになったのである。これがまた「吾妻ひでお全集」みたいなのが何度も出るんだよなぁ。「陽射し」を買ったのはその前だっけ。
「やけくそ天使」を読むために「プレイコミック」を買っていたら、読者プレゼントで「みゃあちゃん官能写真集」がもらえると言うので、ハガキを何枚も送ったものである。これは当たった。
そして、まさかの「ななこSOS」のアニメ化。まあ、吾妻ひでおの漫画としてはおとなしくてあまり、吾妻ひでおらしさはないんだけど、だからこそアニメ化出来たとも言える。作者あとがきか何かで娘と「ななこSOS」がみられて幸せとか書いていたような。
不条理日記では作中人物の吾妻ひでおが何度もひどい目にあうのだが、ひどい目にあいながら笑っているというか、半ばあきらめつつ、半ば面白がっているというが実にいいのである。
あと、吾妻ひでおの美少女は結構強い。阿素湖素子が強いのはまあ当然として、美美も強いし、メチルアルコール警部も強い。しかし美少女は主役なのでだいたいその作品にしか出演しないのだが、脇役はあちこちに出るので実は美少女よりも馴染み深い。
「不気味」「三蔵」「なはは」がたぶん有名。でも、脇役は脇役だからいいのであって主役にしてはいけないと思うのである。あと「チャバネ」だったりするアシスタントの沖由佳雄。沖由佳雄なんてつい勢いで「天翔けるセールスウーマン」を買ってしまったよ。(調べたら「天翔けるセールスマン」だった。どう見てもウーマンだけど)
なんだっけ、まとまらないけど、吾妻ひでおは偉大なのだ。
実はこの「うつうつひでお日記」が面白い。