ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:未必のマクベス

面白かった。確かに面白かった。

未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)

未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)

 

 のだが、どこが面白いのかよく分からない。まあ、殺人があったりはするのだが、主人公があまり自発的に動いているように見えないので、だからどうだというところはある。

多額の金も動いているのだが、主人公がそのことにあまり頓着しないので、わくわくする金儲けの話というわけでもない。

マクベスは読んでないけど、まあ、そんなに重要ということもない気がする。いろいろ料理を食べたり、酒を飲んだりしているけど、それほど食通小説という気もしない。

でも面白んですよ。敢えて言うなら、あまり能動的でもないけれど、だからと言って流されているだけでもない主人公が結構意外な行動をする点が面白いというのはある。

暗号については、ちょっと用語がおかしいと思うところがあった。あと、RSAベースだとそんなに工夫の余地はないと思う。楕円曲線暗号ならともかく。

カレンダーの謎というか、それもそんなによい解決とも思えず。だいたい6と9が非対称な世界といったら、それぞれ別の記号「六」と「九」とかになっているという状況だと思うじゃないですか。