ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:ブラックアウト

コニー・ウィリスストーリーテラーだなぁ。優秀な娯楽作品である。そして長い。この判型でこの長さは問題だ。そして終わってない。

 

ブラックアウト (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

ブラックアウト (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

 

 

そう、終わってないのだ。これは「ブラックアウト」と「オールクリア」で一つの作品なのである。上下巻でタイトルが違うっていう感じ。まあ、ブラックアウトは「新☆ハヤカワSFシリーズ」版でも上下巻なんだけど。

ハリウッド映画っぽい。主人公(たち)は、ただでさえ困難な任務を遂行しようとするが、その最中にさらに困難な事態に巻き込まれるという話だ。これぞ、エンターテイメント。なんで映画化しないだって思うくらいだ。

たぶん、歴史クラスターはSF映画をみないという思い込み、またはそれ以前に、ハリウッドがSF映画に期待するものと違うってことかも知れない。もっともこれがハリウッド映画になったとしたら、SF的にツッコミどころがないという例外が発生してしまうのだが。

まあ俺はそんなに映像にこだわらないので、この本を読んだだけで映画を見たような気になる。

でもなんか「ドゥームズデイ・ブック」と構造が似ているような気もするんだが。パターンを確立しているというべきか。子供の描写とか、うまいと思うと同時にあざといという気もする。そのへんもまた映画っぽいというか。

娯楽作品だが、ラノベとは違う種類の娯楽作品である。それにしても長い。