拙者は毒殺専門の忍者でござる。
あらゆる毒薬の使用法に精通しているのは当然でござるが、それだけでなく料理の腕も一流でござるよ。味がおかしいからという理由で、毒入りとバレてしまうのは素人でござる。長年の修業によって、毒薬の味も含めて料理として完成したものを作れるようになったでござるよ。人生の最後にはおいしい料理を食べて欲しいでござるからな。
今回も、毒殺の依頼を受けて、腕によりをかけて最高の毒薬料理を作ったでござる。
それなのに、あり得ないでござる。情けないでござる。拙者の料理は、死んでもいいから食べたいという人もいるくらいでござるよ。それなのに、それなのにでござるよ。
あの女、皿だけ食べたでござるよ。