読み終わった……というか最後まで目を通した。
いや、半分くらいまで読んで放置してあったんですけど、ちょっと本の整理をするために読みかけの本は読んでしまおうと思って、昨夜残りを読んだわけですよ。
数学ガール/ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)
- 作者: 結城浩
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2009/10/27
- メディア: 単行本
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そしたら読みやすいのなんの。で、どうして読みやすいのかというと、間をおいたので、女の子の誰が誰やらさっぱり分からなくなったんですよ。そうしたらすごく読みやすくなった。
というのは、このブログの数少ない選ばれた読者なら想像がつくかも知れないが、俺の誤読力が全開で発動していたわけですよ。田山花袋の「蒲団」という有名な私小説があるじゃないですか。実を言うと、アレを私は読んでないような、いや、短いから読んだのかも知れないが、ともかく数学ガールって「蒲団」みたいな話だと受け取っていたわけです。
数学の先生が、学生に性的な感情を持つという話だと思ったわけですよ。まあ、そのままではいろいろ問題があるので、先生ではなく同じ学生同士というように置き換えて、さらに念を入れて先生役の女学生も追加したという構造だと思ったわけです。
なんでそんな誤読をするのか、悪意があるんじゃないかと思うかもしれませんが、悪意というより羞恥心からそう思うわけです。つまり、自分自身に思い当たるところがあるということですな。まあ、ちょっと頭のいいという感じの学生だった私は、中学の時とか、女の子にこれを教えてとか言われると、いい気になってデレデレしながら数学とか理科とか教えていたわけですよ。数学ガールを読んでいると、その時の気持ちを思い出して恥ずかしい気持ちが次々と湧いてきて仕方がなかったわけです。(いや、都合よく使われていただけなんですけどね)
ところが、しばらく間を開けたので、もう女の子が誰が誰だかまったく分からなくなった訳です。まあ、教える役の人だけは分かるけどね。そうしたら、彼女たちは、血の通った女の子ではなくて、記号だと気づいたわけですよ。いや、よく考えたら、女の子たちの名前にしたところで、いま思い出せないけど、これは記号だと主張しているような名前ではないですか。まさに、x,y,zみたいな数学記号を萌擬人化したのが数学ガールの女の子たちだったとようやく気づいたわけです。
蒲団とか、教える側の邪な感情とか全然関係ないじゃん。
不完全性定理? さすがに最後は飛ばし過ぎじゃないの? まあ、どのみち読んで分かることじゃなくて、自分で考えなければ分からないから、どんなに丁寧に書いたところで、読者が考えなければわかることはないので、飛ばそうが飛ばすまいがそんなに重要じゃないと思うけどね。