ネット配信で遅れて見たわけですが、これは良かった。不思議な良さがある。
このアニメ、パズルを解いて吹奏楽部の部員を集めようという話なんだが、吹奏楽要素はほとんどない。つまり話の主体は日常系ミステリなのだ。というと探偵役の魅力かパズルの魅力で引っ張ることになるはずだが、それも大したことはない。
ハルタが探偵役で、もちろんそれなりの天才設定はあるけれど、そこまで魅力的かというとそうでもない。結構腹黒いし。氷菓の奉太郎に比べても探偵としての魅力は劣るように思う。演出の関係もあるかも知れないが。
で、パズルはというと日常系だから殺人はない。それはもちろん良いのだが、ミステリというよりも解かれるように作られたパズルという印象が強い。予め答えがあるパズルなので解けて当然というか。
じゃあ、どこが素晴らしいのかというと、ひとつは恋愛要素がないという点である。完全にゼロというわけではないけれど、実質的にゼロと言ってもいい。恋愛要素のないアニメが傑作というのはSHIROBAKOの例を見ても明らかである。
しかし、それだけではこの作品の良さを説明できない。この作品最大の魅力はチカちゃんにある。運動神経が優れていてバレー部で期待されていたのに、練習に明け暮れる青春は嫌だと言って吹奏楽部に入るというおバカさんなのだ。そこは選んじゃダメだろう。
そして暴力女でもある(恋愛感情無し)。アニメの最終回を見ても、チカちゃんが主役であることは明らか。
以上を総合的に判断すると、穂村千香は千反田えるを超えたという結論になる。異論は認める。少なくとも匹敵する。異論は認める。
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