ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

漫画感想:振袖無頼控

ブック放題で読んだ山田ミネコの短編集。

振袖無頼控:表題作は八犬伝の犬塚信乃にちなんで信乃と名付けられた江戸時代の女装男子の話。アクションもあってふつうに面白い。

風のせい:ちょっと整合性がないような気もするが、まあそうかなとも思わせる「不思議な話」系の話。

空が笑った:この短編集の大部分を占める中編というか短編というか。これが実に少女漫画らしい話。少女漫画のテンプレとして挙げられそうな話である。田舎の話で、粗雑で男っぽい貧乏少女と陰のあるそこそこの家庭の少女の関係がある。病弱で美しい金持ちの家の少年がその田舎に療養にやって来る。テンプレと言えばテンプレどおりなのだが、この時代の少女漫画を読んで育った俺には懐かしい感じのする話だった。少女漫画全盛時代でも、今で言う凄い漫画だけでなく、ふつうの少女漫画も(大量に)あったのだ。そして山田ミネコもそういう漫画を描いていたのだなぁと。

 

アニメ感想:劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス

dアニメストアで見放題になったので。

TVシリーズ1期は見て、2期も見たけど気に入らず3期は見ていないし1期の再編集版も見ていない。

うーん、恋する乙女が恋しい相手に会うために紛争地域に行く話だった。あるいは日本が東南アジア連合を侵略する話。

作中では「内政干渉だ」とか言われてるけど、日本政府の警官(兼死刑執行人)が現地の人間を殺しているので、単なる内政干渉では済まない。この作品世界で現実の国連以上に国連が機能しているなら、日本による侵略と認定される可能性が高い。

TVシリーズ1期にあった常森朱の賢さは、その後のシリーズ同様に劇場版でも見られなかった。

「選挙をしなさい」という常森朱の主張は未熟であり、選挙結果としてシビュラシステムを推進する政治家が再選されたのも、民衆がシビュラシステム歓迎しているからと見るのはあまりにも楽観的である。この選挙自体がシビュラシステムの下で実行されているので、これは現在の情勢に例えるなら、ウクライナ内のロシアの支配地域でロシアに帰属するかという選挙のようなものであり、民意を反映しているとは思えない。

俺はもともとシビュラシステムは最悪の支配体制だと思っていたが、そうでない人もいたかも知れない。でも、現在のウクライナ情勢からこのアニメを見ると、いろいろと見方が変わる人も居るかも知れない。もともとそういう製作意図もあるとも言えないこともないが。支配を受け入れるか、紛争が(しばらく)続くかという問題である。その点からすると、この作品世界よりも現実は頑張っていると思う。(この作品がディストピアものだからでもある)

治安のためとか人民の保護というのは、侵略国家がよく使う口実である。この作品世界では日本がその口実を使っている。

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写譜して気付いたこと

lilypond で楽譜を再入力しているのだが、いろいろ気付くことがあった。

俺の小学中学の音楽の成績は安定して2であった。

「この道はいつか来た道」という歌の楽譜を入力していて、なんという変拍子かと驚いた。四分の三拍子で始まり、2小節後(最初の小節が不完全小節だが)に四分の二拍子になり、それは1小節だけでまた四分の三拍子に戻るが、その後また変わるという凄い。

フェルマータポルタートも付いているので、lilypondの能力を発揮できる。ポルタートとか名前を探すのが少しやっかいだったが。このページに解説が載ってる。コードの部分が俺のみた楽譜と違うけど。

http://www.zen-on.co.jp/pdf/810311_sample.pdf

小坂明子の「あなた」も入力したのだが、これは三連符の嵐だった。

前に、ちっちゃい音符(装飾音符)のついた曲も見たのだが、その時は入力できる気がしなくて放り出したが、そろそろ入力できる気がしてきた。だが、どの曲だったから分からなくなってしまったが。

音楽が2だった人なので、入力した通りに楽譜が表示されるだけで楽しいのである。なんか、中毒気味でやめられない。

 

あなた‐小坂明子の世界

あなた‐小坂明子の世界

  • アーティスト:小坂明子
  • ダブリューイーエー・ジャパン
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読書感想:クラインの壺

岡嶋二人の作品を読むのは初めてである。

ミステリかと思って図書館で借りたのだが、ミステリというよりも冒険ものである。

1989年の作品という点では、バーチャルリアリティに対して先見性があると言えるだろう。

でも、テーマとしては胡蝶の夢の焼き直しである。まあ、このテーマの作品はすべてそうだと言えるわけだが。で、夢よりもバーチャル機器の方がリアリティあるかというと、少なくとも俺にとってはそうではない。コンピュータが登場すると、現実問題が絡んでくるので、現実にはあり得ないと思ってしまうからである。フィクションにそういうツッコミは無粋だが、夢ならそんなツッコミはしなくて済むので、少なくとも俺は、夢の方がバーチャルリアリティよりも(ツッコミどころがない分だけ)リアリティが高い。

また、頻尿の老人としては、長時間バーチャルリアリティ装置の中にいるということは、尿意の問題が発生するので、そこが気になって仕方がなかった。

あとは呼吸ね。エヴァではLCLで呼吸できるってはっきり言ってるからそう理解するしかないけど、この作品では説明がないから。時間感覚の操作も体表の感覚操作だけで可能だとは思えない。可能だという記述があれば信じるしかないが、記述がない以上は、ツッコミどころになる。

夢ならそういう問題は一切ない。

俺が思うに、世界への没入感は感覚の機械的なシミュレーションとかではなくて、読者・プレイヤー・視聴者の没入能力によって達成されるのである。感覚の再現という点では、小説よりも漫画やアニメ、それよりも実写の方が情報量が多いわけだが、だからといって小説がそれらよりもリアリティで劣るとは思わない。

この作品自体が小説なのだから、再現度の高いVRゲームが小説に勝るとは主張していないはずで、そこから考えるとやはり、VRゲームブームの先取りというか予想したという点に価値があるように思える。

というようなことを考えるのはたぶん俺くらいだが、俺以外の人でも気付きそうな点を挙げてみよう。

最初と最後が唐突過ぎきる。現実でないなら逃げても無駄だし、何をしても無駄。最初の契約書はほとんど作品内容と関係ない。CIAだとしたら、発言がうかつで馬鹿過ぎる。簡単に嘘だと見破られている。クラインという名前で検索されてバレるというのもアホ過ぎる。

 

生活:寒さ対策

寒さ対策はガンガン暖房することだが、電気代が高い。

その場合は、寝るに限る。

ブログ書いてる場合じゃない。

明日のために今日も寝るのだ。

 

アニメ感想:海賊王女

2021年のアニメ。

昭和のアニメ「海賊王子」のオマージュかなにか、だと思って見たけど、一切関係なかった。(海賊王子をよく覚えてないのでもしかしたら少し関係あるという可能性もまったくないわけではない)

このアニメの本質は、真田雪丸(yukimaru)は真田幸村(yukimura)のアナグラムであるということである。真田幸村恰好いい=真田雪丸恰好いいというわけだ。

海賊要素もないと言いたいところだが、相手役の一部が少し海賊っぽかった。帆船だったし。

この王女と真田家の一行は、潜水艦(ゼンマイ仕掛け)に乗っているので、全然海賊らしくない。しかも、潜水艦は最初を除いて潜水していないので、甲板の小さなみみっちい船でしかない。まあ、帆がないと作画が楽でいいよね。

なぜ真田家が出てくるかというと、どうも真田家は壇ノ浦で失われた草彅の剣を探しているようだ。ということは、この作品の舞台は瀬戸内海に違いない。なんかイギリス王家とかも出てくるけど、瀬戸内海という印象も捨てがたい。

宝探し要素はある。というか、宝探しが中心のストーリーである。エルドラドをさがす。作中ではエデンと言ってるけど。だが、宝探しで重要な謎解き要素はほとんどない。1%くらいはある。この宝探しで驚いたのは、アニメを見ている途中でいきなりムービーが始まったという印象を受けたことだ。アニメ自体が動画(ムービー)なのに、まるでゲームをやっている途中でムービーが始まったかのような印象を、アニメを見ている途中で受けたのだ。すごい演出だ。

最後になぜか主役が選択(託宣の間違いではない)の巫女だということになったが、このムービーの操り人形感がいつまでも強烈に残っていたので、決断のできる人間にはまったく思えなかった。

乙女ゲームというものがあるようなので、たぶんこれは乙女アニメなのだろう。イケメンアニメとも言える。ヒロイン(主役の女の相手役の男)の真田雪丸とかあと何人かのヒロインがどれもいい顔なのだ。このアニメはヒロインの顔を見ろ!

 

animestore.docomo.ne.jp発明家の花梨と双子はちょっといいキャラだった。

読書感想:作詞少女~詞をなめてた私が知った8つの技術と勇気の話~

「作曲なんて簡単だ」という作曲少女から、スタンスを変えて「作詞は難しい」という作詞少女。どちらにしても、1冊の話の中で素人が作曲なり作詞なりが出来るようになる点は変わらない。

とか思ってたら、なかなかとんでもないぞ、この本は。

青春? 人生? 詐欺? 創作者の覚悟?

まあ、説教臭いとも言えるが。

技法としては、母音探索が面白い。曲が先にある場合、ラララーとか歌えるけど、そうじゃなくて、アイウエオだけで歌い、適切な母音を探すという。

 

作曲少女~平凡な私が14日間で曲を作れるようになった話~

作曲少女~平凡な私が14日間で曲を作れるようになった話~

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で、作中で詞をつけた曲が掲載されていた(p. 350)ので、これからLilypond で写譜をしようと思うけど、#が7個も付いている変態曲だ。最初のコードがF#というのも解せん。

 

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