ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:終末期の赤い地球

図書館で借りた本。久保書店版。

ジャック・ヴァンスの作品。前に読んだ「天界の眼」と同じ世界を舞台にした作品だが、ちょっと読みにくかった。天界の眼は同じ主人公の連作であったが、こちらは作品ごとに主人公が違う短編集なのである。しかし関連がないかというと、そうではなくて、登場人物が重なっていたりする。その意図は最後の短編でなんとなく分かるのだが、そこに至るまでがなかなか厳しい。

まあ、異世界という点では、かなり異世界である。ところで、表紙には裸の美女が馬に乗っている絵が描かれているのだが、文章中には裸とは書かれていない(と思う)。服を着ているとも書かれていない。その場合は、裸と解釈するべきなのだろうか、何か服を着ていると解釈するべきなのだろうか。本当の異世界だとこちらの常識が通用しないので判断できない。

 

https://auctions.afimg.jp/b149467049/ya/image/b149467049.1.jpg

 

ad2217.hatenablog.com

 

同人誌感想:NEMURENU イロドリ

これは文学フリマ広島ではないところで入手した同人誌。

全般的に俺にとっては文学的過ぎるという感想。

「シャボノ」はフロリンダ・ドナーの著作の訳。ノンフィクションということだが、それにしてはフィクションっぽいというか、なんか昔の秘境探検物のようなフィクションではないかという気がする。まあノンフィクション小説もフィクションの内という考えもある。フロリンダ・ドナーはカルロス・カスタネダの呪術師仲間《三人の魔女》の一人ということらしい。

これは反西洋文明的な呪術社会を描いたもの。俺の思想としては反キリスト教だが、論理は尊重するという立場なので、呪術とは相性が悪い。

「自分を大切にするということ・他」詩とイラスト。よく分からない。

「青と赤の紫の・俺の不機嫌な銀の蝶」これはなんか軽井沢シンドロームのような印象を受けた作品であった。

「茄子と豆腐」俺好みのバカな話。茄子と豆腐がある老婆をめぐって戦いを繰り広げる。

「幻想街カクテルラウンジ」酒と旅に関する幻想的なショートストーリー集。

booth.pm

 

しばかっぱ1kg

ひと月ほど前に、業務スーパーみたいなところで「しばかっぱ」を1kgを買った。キュウリの柴漬けである。1kgは食べきれないかとも思ったが、漬物の重さの半分かそれ以上は漬汁の重さであって、実際に食べる部分はそんなにない。

というわけで、食べきった。が、飽きた。飽きるもんだねぇ。舌に感じる味としては酸味が強いけど、それでも食塩の量もそれなりにあるだろうなという気が少しした。

https://www.m-mart.co.jp/mens_aso/ireg/tmp/mens_aso_20200414124503.jpg

固形部750gだそうだ。半分じゃなくて四分の一が漬汁のようだ。

amazonでも似た商品を売ってる。高いけど。

 

文学フリマ広島無料本

長めの作品も読みかけているのだが、やはり読みやすいとは言えないのでなかなか読み進まず、感想が書けない。なので、今回は無料本の短い話の感想など

地球屋Soraの作品

ショートショートの長さの「乱歩の赤いマフラー」と「魔王、居酒屋を始めてみた」

この乱歩というのが分からなかった。いや、俺が文豪ストレイドッグスをやっていないせいで、文ストのキャラとしての乱歩なのか、実在の乱歩なのかと悩みながら読んでしまった。まあ、どっちでもいいのかも知れないが。

魔王居酒屋は、短いながらも、魔王対やくざみたいな話である。

tikyuyasora20.booth.pm

神楽彩葉のCROCUS

失恋というか別れの詩。ああ、そういう詩だなという感想しかない。俺には詩は分からぬ。

estar.jp

「ニャンと素敵なきみのこと」特典ペーパー

どうやら本編を買わずに特典ペーパーだけを貰ったようだ。たぶん、雰囲気のあるショートショート4編だと思うが、もしかしたら短編の書き出しが四つかも知れない。それよりも、縦書きなのに全角のダブルクォートになっているのが気になってしまった。ダブルミニュート(〝〟)を使えばいいのに。というか、俺なら『』を使う。https://nadekonkon.booth.pm/

nadekonkon.booth.pm

久慈川

これも何だか分からないが無料で貰ったもの。名前とスペースが書いてあるが、裏には不思議な達磨に関するショートショートが書いてあった。目が片方しか入っていないということは、おばあちゃんの願いは叶わなかったということか。そう考えると、かなり皮肉な結末である。それとも願いそのものは叶ったが、不満の残る結果だったのか。

kamenek0.booth.pm

 

アニメ感想:劇場版「メイドインアビス 深き魂の黎明」

dアニメストアの見放題に入ったので見た。R15指定の残酷描写あり。リコ、レグ、ナナチの三人組の少年少女がアビスという深い穴の形をした異世界を探検する話。なお、TVシリーズの続編なので原作を読むかTVシリーズを見るか、劇場版総集編を見ていないと分からないと思う。ストーリーというよりも、世界の仕組みの説明を知らないと訳が分からないはず。そして終わっていない。

異世界ファンタジーと違う本物の異世界とその世界の法則にユニークさがある。でも好きだとは言えないし、他人にも勧められない。残酷描写は戦闘行為が残酷というよりも、人体実験的な残酷さであり、SM的な残酷さである。

作品としては良くできているし、傑作といってもいい。この劇場版の敵役の狂気(または純粋さ)の描写などは、アニメや漫画でよく見られる手垢のついた狂気描写(目玉を細かく動かすとか)などお呼びもつかない。ずっと丁寧語で話しているし。狂気描写はこうでなければならない。

他人に勧められないのは、やはりこの狂気描写が素晴らし過ぎる点とか、SM的な残酷さとかの点から。俺が好きになれないのは、これが基本的には少年少女の楽しい探検物語という構成を取っている中での残酷描写だから。

なんか関係ないかも知れないけどエイリアン9という漫画とそのアニメを連想するような点がある。あれも傑作だと思うけど、好きになれない。でも忘れられないという作品である。そうそう、ある意味では江戸川乱歩的かも知れない。いやちょっと違うかも、いや近いかも。江戸川乱歩もSM的だから。

俺も案外正常な精神を持っているのである。

animestore.docomo.ne.jp

animestore.docomo.ne.jp

読書感想:プラチナデータ

東野圭吾の小説。ネタバレ感想。

ここで言うプラチナデータは、いわゆる貴重なデータという意味ではなく、この小説内で特殊な意味をもつ言葉である。

この小説はアニメファンの俺からすると、PSYCHO-PASSや24区と同じような管理社会(に変化して行くところ)を描いたディストピア小説のように見えるのだが、そのへんが作者の意図するところと私のディストピアに対する考えの違いがあって、うまく楽しめなかった。

このディストピアは日本人のDNA情報を大量に収集しておいて、犯罪現場から採取されたDNAと比較することによって容疑者を特定するというシステムが導入された社会である。しかも、重要な点は、容疑者本人のDNAが登録されていなくても、親類縁者のDNAが登録されていれば、登録者の3等親以内に容疑者がいるというように検索が可能なのである。

その結果、親類縁者から犯罪者を出さないように抑制が働くので、単に容疑者の特定が早いだけでなく、犯罪抑止効果があるということが小説内に書かれている。いやあ、地獄ですね。これは座敷牢とかに親族内の異端者を閉じこめるようになりますよ。そして座敷牢も犯罪なので、座敷牢があることがバレたら一家で無理心中をするのではないかと、私などは想像するのである。

それなのに、その現場に残されたDNAから容疑者特定というシステムに問題点として東野圭吾が挙げるのが、特権階級によるシステムの例外処理というのだから、私としては飽きれる他はない。同時に、多重人格の人物を登場させている点も、小説内に明白には記述されていないけれども、DNAは同じでも人格が違う者の犯罪をどうするかというように問いかけているようにも思える。まあ、それは問いかけというよりも、明白なミスディレクションなのだが。

この作品自体が、DNAデータの管理という問題点を、特権階級の例外処理というつまらない点に卑小化するというミスディレクションの役割を果たしているのではないかと思うくらいである。ミステリを書いている人は、警察などに取材しているうちに、すっかり警察の立場になって管理社会を理想と考えてしまうのだろうか。

ところで関係ないけど、私はマイケル・クライトンの小説を1作しか読んだことがないのだが、マイケル・クライトンが嫌いである。この作品を読んでいると、東野圭吾は日本のマイケル・クライトンを目指しているのではないかと思えた。(マイケル・クライトン原作の映画は1本見た)

重大な問題点に比べれば些細な点だが、アメリカから日本に来た日本人の女性捜査員みたいな人が登場するのだが、これは日本人である必然性がまったくないと感じた。私の好きなアニメならこの女性はアメリカ人(もしかしたら黒人女性)に設定する気がする。ラノベが漫画やアニメを意識した小説の作りになっているように、東野圭吾(やその他の日本のベストセラー狙い)の小説は、映画化やドラマ化を意識して日本人の俳優が演じられるように小説を書いているのではないだろうか。

さらにこれも些細な点だが、比較的最初にちょっとだけ言及される陶芸家が、いかにも高慢な芸術家であるように思えたのに、最後には純粋な芸術家として肯定されているのも変な気がした。まあ、ここは誤読という可能性も高い。俺が気取った芸術家を嫌いなだけ。

コンピュータ・システムに関しては、素人が書いているのだから、突っ込んでも仕方がないけど、特権階級のマークがついているデータを検索するなんて、とても簡単なことだろう。

夢:試験を受ける

大学生の俺。午後に試験がある。たぶん、期末の試験。その前に昼飯を食いたい。しかし、生協食堂が混む時間を避けたいので、少し空いてから行きたいと思っていた。それで時間調整をしている。

よし、今から行けば空き始めで試験にも余裕をもって間に合うと思って食堂に向かおうとしたところで目覚ましが鳴って目が覚めた。

しかし、まだ寝ぼけている。パジャマを着ているので着替えてから試験に行く必要があるが、着替えて家を出て大学に行くのでは飯を抜きにしても間に合わないと思う。

それからようやく、大学生じゃないから試験を受けなくてもいいと気がついた。そして二度寝したのである。(二度寝しても30分で目が覚める)