ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

読書感想:鍋奉行犯科帳

タイトルはしょーもないが、内容は資料に基づいて江戸時代の大阪をかなりちゃんと描写している模様である。確かにこれ一冊で終わってしまうのはもったいない。そうは言っても、いくら型破りとはいえ奉行が毎回毎回現場に出ていくのは難しいのかもしれない。タイトルを無視して、村越勇太郎同心の話にしてしまってもいいような気もするけれど。

 って続編あるじゃないか。読まねば。

 

 

 

 

読書感想:力士探偵シャーロック山

ユーモアミステリとも言えるんだろうけど、赤川次郎とかそういう系統ではない。売れない系統だ。なんというか、癖になるしょうもなさというか。田中啓文らしい作品。ホームズのマネをしているけど、事件はちゃんと解決している。

 

 

読書感想:ロクでなし魔術講師と禁忌教典

光回線が開通しないくてアニメが見られないので、アニメ禁断症状を和らげるためにラノベを読むことに。
これはアニメになった作品で、まあ、アニメの内容は知っているのだが、割と良かったのと、近くの図書館に揃っていたので読んでみることにした。
ラッキースケベがあったりするけど、悪くない

 

 

読書感想:展覧会の絵

ムソルグスキーの「展覧会の絵」をテーマにしたゲームブック
ゲームブックをプレイ中に死んだ場合、どこから再開するかが問題で、以前に読んだときは最初から再開したのだが二度目に死んだ時に面倒になって放置していたのである。
この本はゲームブックだけれど、章立てがはっきりしているので、死んだら章の冒頭に戻るという方針で再度読むことにした。そのためにはステータスを章ごとに保存しなければならないので、紙ではなくテキストファイルにステータスを書いておいて章ごとにコピーすることにしたのである。
しかし、この方法はつまり一箇所セーブ方式ということで、しかも、死んだときだけセーブポイントに戻れるということなので、ハマリ状態をセーブというか、この作品の場合はそこまでハマらないけど、後半はずっと金貨ゼロで過ごすことになり、そしてとうとう最後のところで詰まってしまったので、最後の最後だけインチキをして結末まで進んだ。(後で読み返してみると、どこかでコピーミスをしたような気もする)
たぶんゲームバランス的には良くできていると思う。とはいえ、ムソルグスキーの「展覧会の絵」を知らないと後半の盛り上がりはないかなという気もする。

 

 

読書感想:ベスト本格ミステリ2011

本格ミステリ作家クラブによる年間ベストだと思う。
有栖川有栖「ロジカル・デスゲーム」
ほぼモンティ・ホール問題をそのままミステリの形にしたもの。少しミステリっぽく最後を捻ってある。モンティ・ホール問題の解説としては価値があると思う。でもモンティ・ホールって名前が出てこないんだよなぁ。ミステリ作家って、他者のアイデアの場合はしつこいくらいに来歴や薀蓄を語るものじゃないの?
市井豊「からくりツィスカの余命」
物語の結末を推理する系統の作品。アニメになった古典部の「愚者のエンドロール」みたいなもの。ただし、愚者のエンドロールはミステリ映画の結末付けだが、この作品はファンタジー演劇の結末付け。まあ、メタな視線で読めば、作者が考えた話に作者が結末を付けているだけなんだけど、愚者のエンドロールは結構制約がきつくて推理になっているのに対して、こちらはファンタジーなので制約がゆるくて、というかどこまでが制約なのか読者のオレに理解できないので制約内できちんと結末が着いたという気がしない。
谷原秋桜子「鏡の迷宮・白い蝶」
説明が丁寧なのでネタが割れやすい。
アレにアレすると盗まれる時にアレの命が危ないので、そういうことはしないはず。
鳥飼否宇「天の狗」
短編とはいえ犯人足り得る人は一人しかいない。後味も悪い。何度も事件を起こしていたとしたら、毎回同じ山小屋で待ち伏せしていたのではないだろうか。
高井忍「聖剣パズル」
女子高生の雰囲気といい、トンデモ古代史を否定するところといい、割と好き。
東川篤哉「死者からの伝言をどうぞ」
ユーモアミステリ。昔の赤川次郎みたいな感じだった。
飛鳥部勝則「羅漢崩れ」
怪談のネタ推理かと思ったら、オチがあった。暗くてよい。
初野晴「エレメントコスモス」
なんともいい感じの爽やかな短編。爽やかでよい。
深緑野分「オーブランの少女」
老女だけと少女漫画みたいな世界での歴史の闇の話。ではあるが、日本人が見つめるべき歴史の闇はそこじゃないという気がする。
杉江松恋「ケメルマンの閉じた世界」
評論というか、ラビシリーズの紹介というか。なるほどとは思ったが、本編を読みたいとは思わなくなった。

 

 

読書感想:泥棒は哲学で解決する

キャロリンが本格的に泥棒の相棒をしているというか片棒を担いている作品。今回は希少コインを盗む話。
基本的にはパズルミステリーというよりも、ハードボイルド探偵系のストーリー構成なのだが、最後だけ容疑者を集めて謎解きをするというのが泥棒バーニイシリーズの特徴。
途中で、なんでそんなところに行くのかと思ったのが、ちゃんと目的があって行っているのが面白い。というか、結構成り行き任せで書いているような気がするのに、ちゃんと辻褄が合っていたりする。
でも最後の謎解きのところで、バーニイが泥棒だということが明らかになってしまう。まあ、前からバレているという気もするが、あまり気にしていないようだ。何度も逮捕されているし、警察の家宅捜索も受けているので、アパートの住民にまでバレているのはちょっと生活しづらいのではという気もするが。泥棒だけどいいやつという認識かも。義賊と言うほどではないけれど、盗むのは金持ちからだけなので、庶民にとっては泥棒でも付き合っていけるというか。
これはこれまで読んだシリーズ中でも上位に入る出来だと思う。最後にバーニイが利益を手にするところは暗示されているだけで、書かれていないけれど。

 

 

読書感想:泥棒は選べない

泥棒バーニイシリーズの第1作。第1作からして依頼されて盗みに入ってるな。
1作めにはキャロリンは登場しないし、バーニイも古書店をやっていない。しかし、泥棒も年に4、5回やれば十分と言っているので、書店と兼業のはずのシリーズ後半よりもむしろ回数が少ないのではないかと思われる。
バーニイが泥棒に入った先で死体に遭遇するというのは、このシリーズの黄金パターンですな。あと、ニューヨークのオフブロードウェイが舞台ということで、俳優や女優(志望者)が出てくるのもこのシリーズの特徴。そして買収はされるけれども殺人は見逃さない警官レイ・カーシュマンもなかなかいい。
キャロリンがいないのと書店をやっていないので、会話のオシャレ度はやや低く、その代わりベッドシーンとかの色気が多い