前回、未来日記の主人公が馬鹿だと書いたが、実はその時点では2話までしか見ていなかったのであった。
3話の雪輝(未来日記の主人公)はすごいよ、ストーリーを動かしたよ。
エンタメではご都合主義でストリーが動くことがあるじゃないですか。なんか急にすごい能力が目覚めてピンチを脱出したり、急に前世を思い出したり。でも、現実には急にすごい能力に目覚めたりすることはないわけですよ。まあ、それまでのストーリーでうまく伏線を張っていれば読者も納得するわけですが。納得し難いことも時にはあるのです。
一方、馬鹿なことをするやつは何処にでもいるわけです。やっちゃいけないことをやったり、言わずもがなの余計な一言を言ったり。馬鹿が馬鹿なことをするのはすごく自然で、現実にもありふれているわけですよ。我々は馬鹿がどんなに馬鹿なことをするかよく知っているのです。特に馬鹿だということが念入りに描写されているならば尚更です。
命を狙われていて、未来がわかる携帯を持っていて、その携帯が近い未来になんの異常もないことを保証しているのに、あえて未来を変える行動をする。素晴らしいキャラクターですよ。馬鹿という描写を積み重ねてきただけのことはあります。馬鹿がストーリーを動かしたのです。
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私はあまりホラー映画はみないのだけれど、B級ホラー映画で馬鹿なカップルが馬鹿なことをして死んでいくというパターンがあるらしい。パターン化しているところをみると、やはり馬鹿が馬鹿なことをして死ぬというのはエンタメ的な需要があるのではないかと思ってしまう。
その馬鹿の役を主人公がやるという点が未来日記の素晴らしいところである。ヒロインにやらせると、ほら例のポリティカル・コレクトネスというやつに引っかかる可能性があるし、脇役にやらせると鬱陶しい脇役になってしまう。殺されなければいつまでも鬱陶しい脇役だし、殺されたらそこで終わってしまう。主役が馬鹿の役をやることに意義があるのだ。
次はどんな馬鹿なことをやるのか楽しみで仕方がない。まあ、それよりもまずは今回のピンチを逃れないといけないわけだが。