ネギ式

適当に生きるおっさんのブログ

SF

空飛ぶ車は空が飛びたい訳じゃない

と思う。個人の感想です。 空が飛びたいなら飛行機に乗ればいいし、自分専用の空飛ぶ機械が欲しいなら、自家用ジェットかプロペラ機かヘリコプターでいいわけですよ。 じゃあ、なんで空飛ぶ車なのかというと、それは「渋滞から逃れたいから」ということだと…

SF脳:月やあらぬ

俺はSFを卒業したような気がするが、卒業したということはそれに付いてある程度以上の知識や何かを持っているということである。卒業したから無関係という訳ではなく、むしろ関係が深いということだ。 ある種のひとは、何を見ても美少女に見えてしまう病気に…

祝・レインボー戦隊ロビン全48話配信(dアニメストア)

子供の頃好きだったモノクロアニメ。 後にDVDを購入したものの、それはセレクションで4話くらいしか入っていなかった。 今回、dアニメストアの見放題で全48話が配信されている。みんな観て。 このアニメを観る上での前提というか注意点を挙げておく。これは…

俺は「三体」でSFを卒業したかも知れない。

「三体」を読んだ時には、そうは思わなかったのだが、「創元のkindle本SF50%引きセール」というのを見て、まったく心が動かなかった。いやほんと、50%引きになっている本のリストを見ようという気にもならなかったのである。 そして最後に読んだの何だっけと…

読書感想:ノパルガース

ジャック・ヴァンスの中編SF。 日本翻訳版の発行は2009年だけど、書かれたのは古い。1950年代ではないかと訳者の伊藤典夫のあとがきにある。 作品として古いことは間違いない。でもなかなかに面白い。 ジャック・ヴァンスは異世界とか異種族の描写に優れた…

読書感想:息吹

図書館で借りたテッド・チャンの短編集。昔、第一短編集を読んだ時はその才能に驚いたが、今の私にとっては著者の意識が高すぎる気がする。主に、俺の意識が低くなった関係で。意識の高さがややミスマッチだった。 商人と錬金術師の門 アラビア風世界での過…

第四回文学フリマ広島

週末(4月17日)なんだけど、広島県の新型コロナ感染者数が高止まりしている。まあ、イベントとか感染対策をした上で実施という傾向なので、参加する予定ではある。 俺が参加するのはいいとして、みんな来てねとは言いにくい。 というわけで、新作をなろう…

読書感想:スペース・オペラ

ジャック・ヴァンス・トレジャリー 全体の半分くらいがスペース・オペラという長編(中編)で、その他に短編がいくつか。 スペース・オペラは、いわゆるスペオペではなく、歌劇のオペラ。金持ちの婦人が地球の素晴らしいオペラを宇宙の異種族に見せてあげよ…

読書感想:奇跡なす者たち

ジャック・ヴァンスの中短編集。 傑作。表題作の「奇跡なす者たち」とかSFなんだよなぁ。特に最近の、コンピュータRPGのテンプレを使ったファンタジー風小説と比べると、異星人が異星人らしい思考をしているというか、異質で人類の(あるいは西洋文化、…

生活:おしっこを我慢する訓練

頻尿改善のためにおしっこを我慢する訓練をしなければならない。ここはベネゲセリット流の訓練をするしかない。 恐れてはいけない尿意は心を殺すもの尿意は全面的な忘却をもたらす小さな死ぼくは自分の尿意を直視しようそれがぼくの上にも中にも通過してゆく…

読書感想:宇宙探偵マグナス・リドルフ

ジャック・ヴァンスの短編集。実に素晴らしい。 宇宙探偵となっているが、トラブルシューターという設定らしい。もっとも、事件解決を依頼されて仕事をする話だけでなく、個人的な理由で行動する話も含まれている。マグナス・リドルフは白髪白髭の老紳士にし…

創作:生命と自由と平等を尊重し、寿命以外ではほとんど死なない生物が滅亡する

ある生物の話をする。仮にその生物をアルとしよう。 アルは高度に倫理的な知的生命体で、生命と自由と平等を尊重する平和な種族である。ただし、生まれた惑星から他の星に移住するようなテクノロジーは持っていない。 アルも昔から高度に倫理的だったわけで…

偽書:生きている炭素と人類

概要 導入 炭素の循環 食物連鎖のピラミッドというひどい間違い 次世代の数 炭素の循環 生きている炭素 炭素循環の淀み 二酸化炭素の増加 炭素循環の近道 陸上植物の限界と海洋生物の可能性 海洋における物質循環の問題点 未来のビジョン 二酸化炭素不足 紅…

雑記:「時をかける少女」は「走れメロス」のようなものだと思っていた。

アニメばかり見ているブログで、時々SFの話もする年寄りなわけですが、今期の「富豪刑事」は見ていないのである。(小説は昔読んだ) で、富豪刑事とかを読む以前の俺、かなり昔の俺は、タイトルのように「時をかける少女」は「走れメロス」のようなものだ…

考察的なもの:ソマリとティーラ・ブラウン

ソマリは2020年冬アニメ「ソマリと森の神様」の主役、ティーラ・ブラウンはラリー・ニーヴンの「リングワールド」の登場人物である。 「リングワールド」は巨大な人工構築物上で冒険する話なのだが、その話の中でも異色の存在が幸運能力を持ったティーラ・ブ…

読書感想:宇宙探偵ノーグレイ

またしょーもない本を読んでしまった。連作短編みたいな形のもの、田中啓文のしょーもない系の作品である。連作短編中の1作めのオチを読んだ時に、これは連作の最後にシリーズのオチみたいなのがあるなと思ってしまったので、結局最後まで読んでしまった。…

吾妻ひでお死す:太陽が自殺して夏が終わり

草が死に魚が出てくる。渚でさなぎに大当たり。--不条理日記。 吾妻ひでおの死はある程度予測されていたので驚きはない。むしろ、意外なほどふつうの死に方だった。自殺もあり得たし、身元不明のホームレスとして死んだ可能性もあり、そう考えると、よくぞ普…

読書感想:三体

図書館での貸し出しの順番が廻ってきて、ようやく読めた。これを読めというプレッシャーを強く感じていたのである。 中国人作家のSFで、英語版がアメリカのヒューゴー賞を受賞した作品である。 三体 作者: 劉慈欣,立原透耶,大森望,光吉さくら,ワンチャイ …

読書感想:楽園への疾走

SFカテゴリに入れたけど、SFじゃないかもしれん。まあJ・G・バラードだし。たぶん、傑作。 楽園への疾走 (創元SF文庫) 作者: J.G.バラード,J.G. Ballard,増田まもる 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2009/03/31 メディア: 文庫 購入: 2人 クリッ…

映画感想:ジャスティス・リーグ

私は普段映画は見ないのだが、ある特殊な環境では映画を見るという選択肢が選ばれる。 ジャスティス・リーグはDCコミックスのアメコミ・ヒーローの映画。というか、これ、バットマンVSスーパーマンの続編なんだよな。やはり、スーパーマンが復活してからは、…

読書感想:グリュフォンの卵

俺にとってスワンウィックは「大潮の道」の作者なんだが、この短編集「グリュフォンの卵」は結構いろいろなタイプの作品が入っている。 グリュフォンの卵 (ハヤカワ文庫SF) 作者: マイクルスワンウィック,Michael Swanwick,小川隆 出版社/メーカー: 早川書房…

SF大会で古い友人と会った。

SF大会に参加してきたのである。 www.donbura.comまあ、そこでいつもSF大会で会う友人にも会ったのだが、十年ぶりくらいの友人にも会ったのだ。そして感慨深く思ったことがある。 「お互い歳を取ったなぁ」 「いやあ、まったく。なにしろ、我々は不老不…

創作活動してた

ゴールデンウィークは創作活動してた。SF大会創作講座用の原稿書きと推敲。なかなかつらい感じでした。すぐに気力が尽きるので、そうしたら酒を飲んで寝て起きてからまた書くという。 それにもかかわらず、長さは五十枚程度という短編。才能ある人は一日で…

読書感想:マイルズの旅路

待望のマイルズ君シリーズの翻訳。 マイルズの旅路 (創元SF文庫) 作者: ロイス・マクマスター・ビジョルド,小木曽絢子 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2017/02/27 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る しかし、帯に不穏なことが……。「大…

読書感想:オールクリア

ようやく読み終わった。ブラックアウトの後編。 映画のような娯楽小説の傑作。 オール・クリア 1(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者: コニー・ウィリス,松尾たいこ,渡邉民人(TYPEFACE)〔カバーデザイン〕,大森望 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2013/04/1…

読書感想:ブラックアウト

コニー・ウィリスはストーリーテラーだなぁ。優秀な娯楽作品である。そして長い。この判型でこの長さは問題だ。そして終わってない。 ブラックアウト (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者: コニー・ウィリス,松尾たいこ,渡邉民人(TYPEFACE)〔カバーデザイン〕,…

アニメ感想:エイリアン9

これがロリコンSFアニメだ! なんていうかねぇ。一時期「これはSFではない」と言ってはいけない、というか言うのを止めようという話があったのですよ。その結果、これもSF、あれもSFということになって。いや、順序が逆で、これもSF、あれもSFと…

アニメ考察:ディストピアの終わり方

この中には、「新世界より」と「PSYCHO-PASS サイコパス」のネタバレがあります。 先日のはてブの記事から思いついた。 b.hatena.ne.jp まあ、例によってちゃんと読んでないんだけど。そもそも俺は世紀末無法状態的な世界をディストピアだとは思っていない。…

テンプレでないラノベ

いや実は、ラノベは自由なジャンルでそれ以外の小説ジャンルでは出来なこともやれるという点もある(あった)はずなのだが、柳の下のどじょうを狙う作戦の結果、テンプレラノベばかりが目立つのであろう。 人気もあってアニメ化もされたが、テンプレではない…

大尉の盟約

今頃になって大尉の盟約を読みました。Kindleで。 大尉の盟約〈上〉 (創元SF文庫) 作者: ロイス・マクマスター・ビジョルド,小木曽絢子 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2015/09/19 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 大尉の盟約〈下〉…